まつのベジタブルガーデン

京都府京都城陽青谷の香り高い希少梅「城州白」

まつのベジフルサポーターレポート

こんにちは。京都府まつのベジフルサポーターの野菜ソムリエ上級Pro・管理栄養士の中本絵里です。
さて、皆様は、今年の梅仕事はもう終わられましたか?
今年は、梅仕事ができなかった、これから梅仕事がしたい!なんて方に朗報です。ようやく出荷が始まった香り高い京都城陽青谷の「城州白」をご紹介します。

京都府城陽市青谷で「城州白」(じょうしゅうはく)の収穫が始まりました。
南高梅に並ぶ高品質な梅ですが、残念ながら全国でもほとんど栽培されていない品種です。
関西においては、和歌山の南高梅などに比べ、収穫時期が遅く、多くの人が梅仕事を終えたころに出荷が始まります。しかし、売り場に並ぶ様々な梅の誘惑も一度「城州白」を知ってしまうと、なかなか他の梅には手が出せません。ただひたすら時期を待ちます。梅仕事を待ってでも欲しくなる梅こそこの城陽青谷の「城洲白」なのです。


「城洲白」の産地である京都府城陽市は、JR京都駅から南へ電車で20分ほど、京都と奈良の間に位置し、梅の他、いちじく、茶、寺田いもなど美味しい食べ物がたくさんあります。城陽市にある青谷地域には、約20haの梅林が広がり「城州白」を主に栽培しています。城陽での梅の栽培は古く、後醍醐天皇の皇子 宗良親王が「風かよふ綴喜の里の梅が香を 空にへだつる中垣ぞなき」と詠まれており鎌倉時代には梅林があったとされています。
今回は、希少な品種「城州白」を城陽で栽培されている新井源吾さんのもとを訪ねました。


新井さんは、梅農家の四代目、500本ほどの梅の木を管理されています。「城州白」以外にも受粉用として南高梅や白加賀や小梅なども数本植えられています。「城州白」の収穫時期は他の梅に比べ遅く、6月下旬から収穫が始まります。今年も6月20日から収穫をはじめられました。

(収穫された「城州白」)


この地区の梅の栽培は、梅の木を低く、そして枝を放射状に広げ剪定しています。樹木に日が当たる工夫がされています。

 
樹木の高さは人の背丈ほどに調整されているため、収穫時、脚立などに上る必要はありませんが、広がった樹木の間に入り込むため、長袖シャツはかかせません。

少し黄色がさした梅を出荷するため、ひとつひとつ目で確認をしながらの収穫作業です。愛情をこめて大切に手摘みされています。「城州白」は、他の梅に比べると収穫量が少なく生産者も減っています。この梅を愛する生産者さんの想いによって支えられている貴重な梅なのです。

この梅の呼び方は、「城州白」(じょうしゅうはく)と呼ぶのが一般的です。古い文献には「じょうしゅうしろ」と書かれているものもあるそうですが、その名の通り、大きく育つと実が白みがかるのが特徴です。

今年は、小ぶりなものが多いとのことでしたが、新井さんの作られた「城州白」は、小ぶりのものでも40g前後。大きいものは、なんと一粒約60gでした。

60g程度の重さとなると栄養士的には「たまご」が頭に浮かびます。
というわけで冷蔵庫のLサイズたまごと比べてみるとなんと同じサイズ。
梅と思ってもらえないことがあるという新井さんの言葉にも納得です。

おわかりのように果実はとっても大きく柔らかく、さらに熟すると、素晴らしく上品な香りです。色づくにつれ桃のような香りがたちこめます。

熟し始めると美しい黄色になります(参考画像)

「城州白」は軟らかく梅干しにしても美味しいのですが、香りが良いため梅酒やスイーツなどにも最適です。是非お試しくださいね。
(参考画像:梅ジャム 梅干し)

(参考画像:梅酒 梅ジュース )

あわせてご紹介したいのが、城陽青谷梅林の『梅まつり』です。毎年、城陽にある青谷梅林の1万本の梅の開花時期には、『梅まつり』が開催され府外からも多くの人が訪れ、のどかな梅林がとても賑やかになります。大正時代、青谷梅林は、観梅名所として広く知れ渡り梅の開花時期には、仮の停車場が設けられるほどの盛況だったそうです。停車場はその後、常設の駅となりJR山城青谷駅となり現在に至ります。


現在の青谷梅林は、観賞用の梅林ではなく、生産用に栽培されている梅林です。そのため、梅まつりでは、祭り会場以外にも、生産者の方も売場を設けられており梅の花や、梅干し、梅ジャムなどの加工品を購入することができます。梅というと、京都では北野天満宮や京都御苑などの梅が人気ですが、青谷梅林はまた違った風情を楽しむことができます。
 

今年の春には、新名神高速道路の『城陽ー八幡』間が開通し京都市内、大阪市内からの車でのアクセスも向上しました。是非、来春 青谷梅林の梅を見に来てくださいね。

京都府まつのベジフルサポーターの野菜ソムリエ上級Pro・管理栄養士の中本絵里でした。

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