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みなさま、こんにちは。
北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、6次産業化プランナーの田所かおりです。
札幌に訪れた人だけが出会えるかも知れない、とても貴重なイチゴのご紹介です。その名は、「サトホロ」。先週収穫が始まったばかりのイチゴに会いに、吉川千春さんの畑を訪ねました。
吉川さんは、新規就農されて今年で3年目。小鳥と虫の鳴き声が心地よい自然に囲まれた札幌市滝野で30品目ほどの野菜・果物を少量生産されています。イチゴ「サトホロ」はそのうちのひとつ。農家の研修生をしている時に勧められたことがきっかけで栽培を始められました。
「サトホロ」は1988年8月に札幌市が登録したとても古い品種。育成者権が消滅した今でも札幌市が管理している品種です。昔はメジャーな品種で沢山作られていたそうなのですが、店持ちが重視される現代の流通には合わず、営利で生産されている方はごくわずか。その生産者の数は市内で一桁といいます。
「サトホロ」の店持ちは朝収穫して夕方が限界。夕方には黒くなり、しんなりしてしまうとのこと。そのため、近くの直売所に並べてお客様に届けるのが精一杯なのです。
また、「サトホロ」は適期に収穫するのが大変といいます。早いと酸っぱいし、遅いと黒ずんでしまう。一番の食べごろの時期でも、「サトホロ」は他の品種に比べると黒いのだそうです。
それでも作り続けられる理由は、加工に向いているから。柔らかくて中まで真っ赤な「サトホロ」はジェラート屋さんなどからの取引の依頼が多く、形が悪くても傷がついていても加工で使ってもらえるそうです。そして、直売所でも大人気。昔懐かしい味を求めて、年配の方が購入されたり、一度食べて気に入った方がリピートしてくださるそうで、出荷すればすべて売れてしまうのだそうです。そう、驚いたことに全くロスのないイチゴなのです。
そんな希少なイチゴを、私も畑でいただきました。
とても柔らかいふわふわした果肉。香り豊かで優しい甘味と酸味が口の中に広がりました。こんなに柔らかいイチゴを食べたのは初めてでした。
「サトホロ」の少し変わったお話も伺いました。今となっては規格が印字された箱に詰めて出荷することはほとんどないとのことですが、同じ大きさのイチゴで、「サトホロ」がLならば、他の品種ならLLと一段階異なるそうです。それだけ果実が大きな品種で、昔に比べるとやや小ぶりに仕上がっているとのことですが、規格が異なるとはおもしろいですよね。
「サトホロ」イチゴの収穫は、今咲いている花が収穫時期を迎える7月下旬頃まで。7月上旬までがおすすめとのことです。
取り扱いのある直売所は以下の通りです。
◆八紘学園農産物直売所
◆ホクレンショップ
◆くるるの杜
札幌周辺にお住まいの方は、ぜひ幻のイチゴを探しにお出かけしてみてはいかがでしょうか。
今回お話をお伺いしました、吉川農園 吉川千春さま(右)、JAさっぽろ 曽我俊史さま(左)ありがとうございました。
以上、北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、6次産業化プランナーの田所かおりのレポートでした。