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皆様こんにちは。滋賀県のまつのベジフルサポータ―・野菜ソムリエプロ・ベジフルビューティーアドバイザーの辻川育子です。
燦燦と輝く太陽がぴったりなトロピカルフルーツ「マンゴー」。とろけるような美味しさで女性に大人気のフルーツですね。そのマンゴーが滋賀県でも作られているってご存知ですか?その一つがこちら。今日ご紹介する「びわマンゴー」です。
一体どのような経緯でこのマンゴーの栽培が始まったのでしょうか…?「びわマンゴー」を求めて、滋賀県近江八幡市にある内野営農組合を訪ねました。
平成18年に特定農業団体として設立された同組合は、主に米・大豆・黒豆・麦などを栽培しています。5年後の平成23年の農業組合法人化に向けて国からの支援を受け、マンゴー栽培に取り組まれるようになりました。
(1)持続型集落営農の確立と実践
(2)安全・安心・健康の農作物の提供と環境農業、生甲斐農業の実践
(3)集落営農発信による地域の活性化
上記の3項目を将来のビジョンとして掲げ、さらなる農業の発展を目指しています。今年はグローバルGAPも取得され、未来の明るい農業のために奮闘されています。
今回お話を伺った代表理事の仙波謙三さん。マンゴーの栽培は、平成21年に近畿大学湯浅農場への見学から始まり、台湾への視察、熊本での研修などを経て、滋賀県での栽培に確信をもち、平成22年にスタートしました。マンゴー栽培の一番の魅力は、生活者のニーズがあること。そして、高収益性作物であることです。徹底した温度管理などで栽培には費用がかかりますが、作り手の努力が実る魅力的な作物です。
マンゴーは接ぎ木栽培で、1〜2年経った苗を植えて、2~3年で収穫が始まります。まずしっかりとからだ(木)を育て、木が育って2~3月に花が咲くとミツバチによる受粉をします。一つの枝に数千個の小花がつきます。
(写真:内野営農組合提供)
小花の中には雄花と両性花があり、実になるのは両性花で数100個、落ちてしまったりしながら豆粒くらいのものが20~30個になり、のちに10個に減り、最終的に1~2個残して育てます。実がぶつかるのを防ぎ、日光がしっかりあたるように紐をかけます。6~7月には新芽取りをして害虫をよせつけないようにします。そしてマンゴーの色が濃くなってきたら1つずつネットをかけます。
こんな色に変わってきたらもうすぐ完熟!急に発色が良くなるそう。とっても綺麗ですね!甘い香りも漂っています。
収穫は、はさみを使わず自然落下をネットで受け止めます。完熟をいただけるなんて幸せですね。収穫のピークは7月中頃からお盆頃まで。収穫期は平均5人で作業をされるとのことで、これからますます忙しくなります。
マンゴーの栽培には、ぼかし肥料を使ったり、減農薬のために天敵「スワルスキーカブリダニ」を使うなど、「安全・安心」と生産者の健康にも気遣ったこだわりの農業をされています。
(下の写真:スワルスキーカブリダニの袋)
収穫後は枝を切って新芽を出し、来年の枝づくりをします。11〜1月は休眠期間。冬でもハウス内は気温が30度近くなるので、エアコンで冷やすなど温度管理が必要です。冬場の水やりは週に1回程度。1月中旬から花をつけ出しますが、水やりをやめたり温度を下げたり、植物に過酷な条件を与えて危機感をもたせることで花芽をつけるのだそうです。
同組合で栽培されているのは主に「アーウイン種」。今では合わせて10アールのハウスで、約3000個のマンゴーが収穫されます。予約販売でお中元にも人気の品。私も一つ購入させていただきました。収穫から3日ほど置いておくと追熟するので、常温で3日、さらに美味しくなるまで我慢です。
表面がさらにしっとりとして食べごろになりました!糖度も13~18度、上品で濃厚な甘さと、マンゴー独特の芳香が南国へといざなってくれるようです。マンゴーは抗酸化作用の相乗効果を発揮するビタミンA,C,Eが全て含まれていてアンチエイジングにもぴったりのフルーツ。水分が約80%、カリウムも含まれているので夏バテ予防にも効果が期待できます。
デザートのミルクプリンにマンゴーピューレとマンゴーをトッピングしました。
(マンゴーはうるし科の植物で、アレルギー症状が出る方もあるのでご注意ください)
ご紹介しました「びわマンゴー」は、近江八幡市のファーマーズマーケットきてか―なで購入できます(7月15日頃~8月上旬)。また、大手洋菓子店クラブハリエでもデザートに使われているそうです。
地元で育った完熟びわマンゴー!これから滋賀の夏の風物詩となりそうです。
滋賀県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ベジフルビューティーアドバイザ―の辻川育子でした。