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こんにちは。山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実です。
前編では山梨県北杜市白州町にある寿風土ファームさんを訪問し、代表の小林ひとみさんとそのご主人栄一さんが大切に育てるオリジナルすいかの食べ比べの様子をご紹介しました。切り口を見るだけもワクワクしませんか。今回はそのすいかが育つ畑とそれを大切に育てているお2人の様子をご紹介します。
食べ比べを終えた私は、ひとみさんが畑に移動されるということで、同行させていただきました。寿風土ファームさんがある北杜市白州町は標高約700メートル。それでもこの時期は30度を超えることあります。日中作業を行うのは暑くて大変。そこで、暑い時間帯を避けて作業を行っています。
畑では横芽採りの真っ最中。おいしいすいかを作るためにとても重要な作業です。すいかは受粉から約40日で収穫となりますが、天候や温度、湿度などで若干異なります。外観でタイミングを見極めるのは難しいので、それぞれ受粉時期を記憶しておき、最終的な判断はカットして決めます。ということは当然ロスも出てしまいますが、お客様に喜んでもらうためには仕方ないことなのです。
収穫間近のすいかを発見しました。「戦水甘ゴールド」です。見た目は先ほど紹介した「甘光セレブ」に似ていますが、これはどんなお味なのでしょう。想像するだけでワクワクします。
自称「すいかばか」を公言する栄一さんですが、辺りを見渡すとお皿やカッティングボード、その他あらゆるところにすいかモチーフの雑貨がたくさん。実はひとみさんのピアスもすいかでした。大きな声では言えませんが、すいかばかは栄一さんだけではなさそうです。
「すいかを粗末にする奴やすいか割をする奴には売らねえ!」。パンフレットに刻まれたこの言葉。すいかへの深い愛情を感じます。
実際、足を運んで買いに来てくださった人でも、販売をお断りすることもあるのだそう。「ただ甘いだけのすいかは旨くない!オレが育てた旨いすいかを売るんだから、大切に扱ってくれる人にしか売らないのは当たり前」。そんな言葉を聞くと「頑固親父」そのものの強面を想像されるかもしれませんが、実際は全然違うんです。
買ったお客様が、すいかを囲む食卓をイメージしながらサイズを選ぶひとみさん。高齢のご夫婦に大きなすいかを売っても食べきれない。すいかをベストな状態で食べていただくため、サイズ選びはとても大切です。そして買ったお客様がどうやって持ち帰るのかを確認し、持ちやすいように丁寧に梱包する栄一さん。その表情は、優しい笑顔。でももしかしたら、我が娘を嫁に出すような、少し寂しい気持ちもあるのでしょうか。すいか柄の麦わら帽子が良くお似合いです。
今回紹介した、主に7月に出回る「セレブシリーズ」はオーソドックスな味と抜群な甘み、バランスの良さが人気だそうですが、この日いただいた「戦水甘ゼブラ」を含む8月に出回る品種「戦水甘シリーズ」は、味が濃いものが多く、形もユニーク。
「戦水甘」という名前は、形が「潜水艦」に似ていることから名づけられましたが、実は「せん」という字には「新鮮」の「鮮」という字も候補に挙がっていました。しかし、このすいかで大産地への戦いを挑む、という熱い思いから「戦」という字にしました。
実は栄一さんのお母様は、すいかの大産地長野県波田町(現在の長野県松本市波田)出身。このため栄一さんは子供の頃からすいかの英才教育を受けていました。どれだけおいしいすいかができても、子供の頃食べた味にはかなわない、そう思っているのだそう。寿風土ファームさんのすいかを買うために、わざわざ県外から足を運ぶお客様がいるようになった今でも、「オレはまだ修行の身。毎年進化するすいかを提供したい。」とおっしゃっています。
寿風土ファームさんのすいかには、保証書の役割を果たす住所と名前の入った金色のシールが貼ってあります。買ったお客様が気に入らなければ交換可能なのです。それだけ自信のあるすいかしか販売しない!それが栄一さんとひとみさんの覚悟です。
寿風土ファームさんではお盆過ぎから出回る品種も栽培されています。まだまだすいかのシーズンは始まったばかり。気になる方は是非チェックしてみてくださいね。「すいかばか」の旗が目印です!
山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実でした。