熊本県まつのベジフルサポーター　野菜ソムリエプロの佐藤真美です。

先日、友人と食事に行ったとき、友人が料理をカメラで綺麗に撮っていました。お皿にはメインになるお料理、そしてパセリがありましたが、友人はパセリだけを残し食事を終えました。「パセリは食べないの？」と聞くと「飾りでしょ？」との答えが。友人にとったら、パセリは撮影用の材料の一つだったようです。私の友人だけでなく、一般的にもパセリは「飾り」のイメージが強いようですが、本当にパセリは「飾る」ためだけの野菜なのでしょうか？

早速、パセリが生産されている圃場へ行ってみました。実は、熊本県でのパセリの生産は珍しいのですが、熊本市（夏期は高冷地にて栽培）で生産されている農園があります。株式会社丸宏農園です。ハウス内に入ってみると…「うわ〜！」思わず叫んでしまうほど、一面パセリの森！どこからともなく、小さいトトロが顔を出しそうな、そんな想像をしてしまいました。

そして、パセリ独特の癒しの香り。山でも海でもない、ビニールハウスの中で癒されるとは、少し新鮮な感じがします。

パセリの栽培は、連作障害も少なく、灌水（水やり）の回数も毎日する必要はないとのことで、管理がしやすい野菜だそうですが、やはり天候には左右され、例えば雨が続くと成長が遅れるため収穫ができなくなることがあるそうです。

こちらでは、播種から育苗にかけても管理されています。育苗ハウスも視察させて頂きました。芽が出てくると、小さいパセリが顔を出します。

それをさらに間引きし、少し大きめのポットに移し替えて行きます。

私がお伺いした時も、相当な数のパセリが植えてありました。これを全部…手作業です。

今回、案内してくださった高木社長にお話を伺いました。パセリ栽培において、社長のこだわりは何ですか？「おいしいパセリを作るために、栽培研究に力を入れてきました。当初は、パセリを育てるために肥料を与えることは不可欠だと思っていました。しかし、与えすぎると病気になる。人間も食べ過ぎると肥満になって病気になる可能性があるでしょう？それと一緒です。肥料が足りないときに必要な分だけを与えるというのがこだわりです。そうすることで、味と香りのよいパセリができるのです。もっとおいしいパセリを追求するために、今でも研究し続けています。」

レストランでお皿の上に乗ったパセリは、長年にわたり研究され、さらに生産者の思いがたくさん詰まったもの。もう「飾り」なんて言えませんね。

ではパセリはどのような野菜なのでしょう？
私が、野菜ソムリエの講座を受講したときの講師が「パセリの力はすごい！野菜ソムリエになったらもっとパセリを薦めてほしい」とおっしゃられていました。

パセリとホウレンソウの栄養価を比べてみると、パセリはホウレンソウに比べて、カルシウムは約６倍、βカロテンは約１．８倍、ビタミンEは約５．５倍、ビタミンKは約３倍、食物繊維は約２．５倍含まれています。【新ビジュアル食品成分表より】他にも、ビタミンBや鉄分、マグネシウムなど、栄養たっぷり！お子様は残しがちですが、特に食べてほしい野菜の一つです。

また、刺身など生ものに添えてある理由は、解毒作用効果があるため。さらに、パセリに含まれるピネンやアピオールなどの香り成分は臭気を消す成分も含まれているので、食後のお口直しには食べておきたい野菜です。ちゃんと意味があって、料理に添えてあるんです！「飾り」として残すのはもったいないですね。

しかし、たくさんのパセリを一度に食べるのは大変…。ここで、簡単に取り入れられる、パセリ料理をご紹介致します。

【タコとカツオのパセリマリネ】

材料ーーーーーーーーーー
　パセリ　　　１房
　刺身用タコ　１００g
　鰹のたたき（市販）　１００g
　ショウガ　　１かけ
　酢　　　　　大さじ２
　しょうゆ　　小さじ１
　オリーブオイル　適量

作り方ーーーーーーーーー
　１、パセリとショウガはみじん切りにする。タコとカツオのたたきは食べやすい大きさに切る。
　２、１と酢、しょうゆ、オリーブオイルをすべて混ぜ合わせ、冷蔵庫に３０分ほど寝かせてできあがり

【秋においしい野菜とパセリの炒め煮】

カボチャや舞茸など、お好きな秋の野菜をオリーブオイルで炒め、ハーブソルトとコンソメで味付けします。最後に、刻んだパセリを混ぜ込んでできあがり。パセリは風味を残すため、火を止めてから入れましょう。

いかがでしたか？パセリは周年栽培のため、簡単に手に入れる事ができます。ぜひ「飾り」ではなく、積極的に食べる野菜の一つとして、取り入れてみてくださいね！

熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。