山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実です。

東京都小平市と茨城県つくば市と共に「日本三大ブルーベリーの地」と言われている山梨県北杜市。今回は、松野貞文社長と共に北杜市の「NSDブルーベリー農園」を訪問した様子をレポートします。

NSDブルーベリー農園は、以前「八ヶ岳の天然水と光が育てた「そのまま春菊」」のレポートでご紹介した株式会社NSDが運営しています。農園を管理しているのは総務部農業事業担当の筒隆志さん。元々別の方が栽培されていたブルーベリー園をそのまま引き継ぐ形で始まりました。

こちらの農園では、6月下旬から9月中旬まで、13種類のブルーベリーを育てています。

2017年7月4日、雨の降る中1度目の訪問をいたしました。ブルーベリーシーズンはまだ始まったばかり。低温や雨が続いたこともあり、色づいていないものも多数ありました。いただいたのは「エメラルド」という品種。一般的には大粒ということですが、少し小ぶりでした。

筒さんは、八ヶ岳で「高原のキャビア」としてブルーベリーを栽培・販売している小尾農園の園主であり、ブルーベリー協会認定栽培士の小尾能敏さんに栽培方法を相談しながらブルーベリーを育てています。小尾さんは長年ブルーベリーを栽培していますが、常に過去データを記録し、良品率の高い品種を選びながら栽培を行っています。

「同じ標高で同じ水を使っても、同じようには育たない。その土地に合う品種を見つけるまでに3年、それから良い実が育つまでに6～7年はかかる。」自分が身に着けた技術を惜しみなく話してくださる小尾さん。美味しいブルーベリーを多くの人に食べてもらいたい！そんな想いを強く感じました。

酸性土壌を好むブルーベリーですが、石灰をまかないでいるとカルシウムが不足し、ポロポロになって実が落ちてしまいます。そのため使う肥料は中性が良いとのこと。

筒さんは話を聞きながら、小尾さんの技術を少しでも多く吸収できるようきっちりメモを取っていました。

そして9月18日2度目の訪問。この日は台風一過。夏が戻ってきたような暑さでした。

雨の影響はそれほどなかったそうですが、虫や鳥よけネットがところどころ崩れているのが分かりますか。強い風は吹いていたようです。

早速中に入り、名残のブルーベリーをいただきます。

こちらでいただいたのは香りが良い「デライト」という品種。

小粒ではありましたが、とても色が濃いものもあり、甘みが強い。

続いていただいたのは「メンディット」。

こちらも酸味はほとんどなく、目隠しして食べると完熟ぶどうと間違えてしまうくらいの濃い味。ドライフルーツのような、貴腐ワインのような強い甘さ。社長もとても満足されていました。

山梨でブルーベリーというと、初夏から夏のイメージを持っていたので、9月中旬まで楽しむことができるとは初めて知りました。今シーズンの収穫はもう終わりましたが、これから剪定作業が待っています。来年はもっと大きく、そして多くのブルーベリーを収穫できるよう、生産者様の苦労はこれからも続きます。

来年はもっと美味しいブルーベリーが食べられるに違いありません。本当に楽しみです。

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実でした。