まつのベジタブルガーデン

北海道守り続けたい伝統の巨大キャベツ 札幌大球

まつのベジフルサポーターレポート

北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子です。

北海道は日に日に寒さが増して、冬の訪れを感じます。冷たい風が身に染みるこの季節に、心も身体も温まるビッグサイズな伝統野菜「札幌大球」をご紹介致します。札幌大球キャベツ
札幌大球は、明治時代から北海道で作られている伝統的な野菜。1個の重さは6kgから大きいものだと20kgと、その巨大なサイズも特徴です。
越冬野菜として、また伝統的な漬け物、ニシン漬けなど、北海道の冬を乗り切るための大切な食材として長年、愛され続けてきました。
北海道当別町道の駅
10月下旬、北海道当別町の野菜ソムリエプロ 高橋良一さんのキャベツ畑に伺いました。札幌にほど近い当別町は、今年9月に旬の野菜とグルメが揃う「北欧の風 道の駅当別」がオープンした今話題のホットな町。野菜ソムリエプロ農家高橋良一さん
良一さんが育てる札幌大球は、昨年の日本野菜ソムリエ協会主催である野菜の品評会「野菜ソムリエサミット」で金賞を受賞されました!
札幌大球キャベツ
野菜ソムリエプロ、そして農家さんとしてご活躍される良一さんにキャベツ畑を案内して頂きました。札幌大球が逞しく並んでいる姿は圧巻!北風が冷たくて冬の訪れを感じる寒い日でしたが、この貴重な札幌大球を前に一気にテンションが上がります。大きな札幌大球キャベツ
私が持たせて頂いた大球は8kgのもの。ずっしり重く、葉が詰まっているのを感じました。

札幌大球は固定種(長年にわたり栽培しているものから繰り返し優良な株を選別して作られてきた、形質が固定された品種)のため、よく育つ種の判断が難しいとのこと。収穫では巨大で持ち運びに苦労するため、手間がかかります。さらに、ニシン漬けを作る家庭も減り、巨大キャベツの生産はどんどん減少してきていました。
札幌大球キャベツ
しかし近年、札幌大球の価値を再認識し、伝統野菜の1つとして幻の札幌大球を守ろうという動きがあります。巨大キャベツ特有の貯蔵性に優れている札幌大球。北海道の冬場の貴重な栄養源であることや、ダイナミックな見た目によらず、葉がやわらかく、ほのかな甘みが楽しめるなど、その魅力は沢山あります。

良一さんの取引先の種苗店さん曰く、本州で札幌大球を作りたいと種を買った農家さんもいましたが、うまく育たなかったとのこと。近年、気候の変化はありますが、札幌大球にとって札幌近郊が栽培にもっとも適した気候ということが分かりますね。
この季節になると、漬け物用に八百屋さんの店頭にたくさん積まれる大きなキャベツ。畑に伺ったことで、北国の食卓を支えてきた伝統野菜 札幌大球を守りたいという気持ちがさらに強くなりました。

後編では、札幌大球を使ったカンタンで美味しいお料理をご紹介致します。ぜひご覧くださいね。

北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ 福島陽子でした。

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