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福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代です。
雪が降る寒い季節になりました。この冬は大雪との予報が出ていて、少し気が重くなります。そんな天気でも、ハウスの中で育てられている野菜たちは、ゆっくりですが、すくすくと育っています。
今回は、福井市が開発したにんじん「きゃろふく」と最近注目の「プチヴェール」をご紹介します。
先月、松野社長と視察に訪れた福井市白方町のAgriFunaya、船谷ゆかりさんのハウスを再び訪ねました。
視察の時には、まだ小さかったきゃろふくがようやく、収穫時期を迎えています。きゃろふくは、福井市園芸センターが市民の健康増進を図るため、平成9年から育成に取り組み60品種もの交配と選抜を繰り返して誕生した濃いオレンジ、薄いオレンジ、黄色の3色のサラダにんじんです。このにんじんは、にんじん嫌いの解消と栄養価(ルティン)の付加を目指して作られました。生で食べてもにんじん特有の青臭さが少なく、とても食べやすいのが特徴です。
きゃろふくを輪切りにしました。色もきれいで、煮ても甘くて美味しい!すでに、福井市の学校給食では、提供されています。にんじん嫌いなお子さんたちでも食べたくなること間違いなしです。
開発当初は、「サラダにんじん」と呼ばれていましたが、平成28年11月、地元仁愛女子短期大学生活科学学科生活デザイン専攻の学生さんたちの協力により、「サラダのヒロインきゃろふく」という名前とキャッチコピー、ロゴマークが決定しました。
船谷さんの畑では他にも様々なにんじんが育てられています。左から、お節料理には欠かせない真っ赤な「金時にんじん」リコピンが豊富な「京くれない」紫、白、クリーム、黄色の「カラフルにんじん」、「きゃろふく」と並べてみると、その特徴の違いが分かりますね。
左側の東洋系の金時やカラフルはしゅっと細長いですが、右側のきゃろふくは、西洋にんじんのように、少し丸みを帯びた円錐形です。
にんじんには、様々な栄養が含まれています。免疫力を高め、皮膚や粘膜わ強くする働きのあるβカロテン、余分な塩分の排出を助けるカリウム、整腸効果のある繊維質などが多く含まれています。風邪の予防や肌の白さを保つ、ビタミンCが豊富なことも知られています。黄色のきゃろふくには、眼病予防に効果があると言われているルティンが多く含まれています。
外側がオレンジで中が黄色のきゃろふくはねじり梅にすると、優しい雰囲気になります。
お節料理にも、きゃろふくは大活躍してくれそうです。きゃろふくと里芋、玉ねぎ、豆乳で作った和風ポタージュは、体が温まります。
にんじんを摩り下ろして炊き込んだピラフとにんじんキッシュとキャロットラペ。
さて、船谷さんの畑で、もう一つ気になっていた野菜があります。プチヴェールです。
平成2年に静岡県の増田採種場で芽キャベツとケールを掛け合わせて作られた近年注目を集めている野菜です。
直径1メートルほどもあるてっぺん部分は、まるで葉牡丹のように葉が大きく広がって華やかです。
食べる部分は、芽キャベツ同様、本葉の脇、軸の部分に生えてきます。芽キャベツのようには結球せず、小さな花が咲いているみたいです。名前は、フランス語の「小さな緑」という意味があります。緑色の小さなバラのようなプチヴェールは、とても栄養価の高い野菜です。
カルシウムは牛乳の約4倍、繊維はさつまいもの2倍、カロテンは、かぼちゃの6倍、ビタミンEはほうれんそうの2倍です。(増田採種場HP参照)糖度も高く、11度~13度ほどもあります。生で食べるとごわごわするので、1分~2分ほど茹でれば、様々な料理に活用できます。
緑色のプチヴェール
葉脈がクリーム色の「プチヴェールホワイト」
赤色の「プチヴェールルージュ」
癖がなく甘くて食べやすいので、お浸しや胡麻和え、シチューやグラタン、中華など様々な料理に使えます。
プチヴェールの収穫期は、11月~3月ととても長いのですが、その後は菜の花もキャベツのように甘くておいしく、初夏の頃まで楽しめます。
プチヴェールときゃろふくの白あえ。
船谷さんは、この他にも、カーボロネロ、スティックブロッコリー、パプリカ、ミニトマトなどを育てられています。春になったら、また新しい野菜を育てたいそうなので、何を作られるのか、また訪ねてみようと思います。
福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代でした。