まつのベジタブルガーデン

北海道道産有機ほしいも~栽培から製品化まで~【前編】

まつのベジフルサポーターレポート

北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子です。
冬場の北海道は、産地も雪の中で畑作業が難しい季節です。農家さんの冬場の仕事を取材させて頂くため、昨年10月下旬と12月上旬、北海道石狩市の有機農家 有限会社大塚ファームの有機ほしいもの取材に伺いました。

大塚ファームは、18haの畑で22品目の有機野菜を栽培されている農家さん。安心、安全な農作物を生産し、さらに収穫した農作物での6次産業化にも取り組むことで、労働者の通年雇用にも成功しています。

大塚ファームが栽培する多くの安全な有機野菜のなかで、今回スポットを当てるのは、有機さつまいもを使って自社工場で作られた「有機ほしいも」です。

やわらかくて美味しい大塚さんの有機ほし甘いもシリーズの大ファンの私。有機JAS認証の加工品として自社工場でほしいもを製造していることにも興味を抱きました。
今回お話を伺ったのは、大塚ファーム取締役副社長であり、北海道指導農業士でもある大塚早苗さん。仕事をしながら3人の息子さんの子育てに奮闘する、働くお母さんでもあります。

そんな素敵な早苗さんにまずご案内頂いたのは、社屋の屋上。ここからは大塚ファームの畑が一望でき、目の前に広がるミニトマトのハウスが壮観でした。
真夏には11tものミニトマトが採れる38棟のハウス。2018年には新たに4棟が増設され、「有機栽培でミニトマトを作っている農家としては、たぶん最大手になるのではないでしょうか。」と早苗さん。

大塚ファームの有機野菜はイオン北海道全店の「有機野菜コーナー」で販売されているほか、ハンバーグレストラン びっくりドンキーで使用しているミニトマトは、夏はほとんど大塚ファーム産だそう。皆様も、大塚さんの有機野菜をどこかで召し上がっているかもしれませんね。

 
大塚ファームでは、7種類の製品用さつまいもを作っています。こちらは綺麗な色の「紅あずま」。立派で大きなものが収穫されていました。


そして、干しいも専用品種である色白の「タマユタカ」。

翌日以降が雨の予報だったため、畑では収穫作業が急ピッチで行われていました。

収穫前のさつまいも畑は、数日前に霜が降り、葉が黒く変色していました。こうなってしまうと、急いで掘ってあげないといもが傷みやすいとのこと。さつまいもは、メキシコを中心とする熱帯アメリカ生まれで寒さに弱く、一度霜が降りてしまうと、このように黒く枯れてしまうそうです。
収穫は、まず葉をチョッパーで切り落とし、機械で地中からさつまいもを掘り起こします。
ハーベスターを使い、収穫されたさつまいもを選別してコンテナに入れていきます。
寒空の下、優秀な大塚ファーム従業員の手によって、効率的に作業が行われます。

さつまいもはトラックで作業場兼貯蔵庫まで運ばれ、貯蔵用紙袋に入れる作業が行われます。

その後、さつまいもにキュアリング処置を行います。キュアリングとは、さつまいもの傷を癒し、腐敗の進行を防止する為の処理。庫内温度およそ30度で高湿度という環境にさつまいもを34日おくと傷口部にかさぶたができ、日持ちがよくなるそうです。

その後、室温を16℃に保たれた貯蔵庫の中で熟成させ、甘みがのってくるのを1120日以降まで待ちます。
次回の記事では、大塚ファーム自社工場で行う干しいも加工の様子と、品種ごとに楽しめる「有機ほし甘いも」の商品ラインナップをご紹介致します。後編もぜひご覧下さいね。

北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子でした。

 

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