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埼玉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの藤田光樹です。
チコリはヨーロッパ原産のキク科の野菜。「アンディーブ」「ベルギーチコリ」とも呼ばれています。上品なほろ苦さと、サクサクとした歯触りが魅力で、ヨーロッパではポピュラーな野菜。水溶性食物繊維のイヌリンを多く含んでいます。
多くを輸入に頼っていますが、国内でも栽培されるようになりました。さいたま市は国内で有数の生産量を誇り、さいたま市の特産品にもなっています。
さいたま市緑区の「浦和軟化蔬菜出荷組合チコリー部会」の榎本昇会長へお話を伺いました。
さいたま市産のチコリーは、3軒の農家が共同で生産しています。
1984(昭和59)年、埼玉県さいたま農林振興センターとともに栽培をスタートし、当時珍しかったチコリの栽培に、一時は全国からの視察が絶えなかったそう。出荷先は、おもに高級レストランや大田市場で、その他、近隣の学校給食の食材としても使われています。ふっくらとして、見るからにみずみずしさを感じる葉からも分かるように、新鮮で質の良いさいたま市産のチコリは、レストランや市場で高い評価を得ています。
チコリの葉の色が乳白色なのは、「軟化栽培」によるもの。ハウスの中に、黒い布でトンネルを作った場所で太陽光を遮り、栽培します。光に当たると葉が色づいてしまうため、出荷作業はとってもスピーディ!
収穫、余分な葉をカットし、泥を落として、箱詰め、収穫したチコリの根を取り除く作業・・・みなさん、それぞれ手際よく進められていました。
チコリは7月に畑に種まきをし根株の育成を行い、12月に一度掘り起こして根株は冷蔵庫に保存、翌年の1月から4月の間に、今度はハウス内のトンネルに伏せこみ、軟化栽培をし2~3週間後に収穫、という大変手間のかかる栽培方法ということをご存じでしたか?こちらでも、冷蔵庫の中で次に植えるチコリの根株が、コンテナで保存されていました。
「手間暇かかって大変なのよ」と出荷作業をしながら、みなさんおっしゃっていたのにもうなずけます。
部会の方々におすすめの食べ方を教えていただきました。
「チコリのオーロラサラダ」
ざくぎりのチコリに、リンゴ・キウイを散らし、オーロラソースで和えます。今回は、いちごとレッドカラントも加えてみました。チコリのほろ苦さとフルーツの甘みがマッチして、大人風味のサラダです。
「チコリのボートピザ」
チコリを縦半分にカットし、くぼみができるよう、中をほじり、そこへベーコン・ピザソース・シュレッドチーズをたっぷり乗せ、トースターでこんがりするまで焼きます。チコリの苦味がやわらぎ、たくさん食べられます。
「チコリと生ハムのグラタン」
チコリを縦に4等分カットし、レモン汁を加えたお湯で茹でます。グラタン皿に茹でたチコリを並べ、生ハム、ホワイトソースの順に乗せ、シュレッドチーズたっぷり、パン粉も散らして、オーブンで焼いたらできあがり。
「加熱するから、生ハムじゃなくていいんじゃない?と思うかもしれないけど、やっぱり生ハムで作った方がおいしいのよ」とのこと。まろやかなホワイトソースに、ほのかな苦みのチコリがいいアクセントになっています。
「チコリの生ハム巻き」
生ハムにたっぷりクリームチーズを塗り、千切りにしたチコリを巻いたら出来上がり!サクサクとしたチコリの食感が楽しく、クリームチーズ・生ハムとの相性も抜群です。あっという間にできて、しかもおいしくてオシャレなので、ホームパーティなどにもおススメです。
そして、生産者さんたちの日々の食卓に一番登場しているのは、「ざく切りチコリのシンプルなサラダ」。
お好みのドレッシングをかけていただいているそう。「新鮮だから、こんなシンプルな食べ方が一番おいしいんですよ」と榎本会長はにっこりしながらおっしゃいます。
一年中、輸入品が出回っていますが、国産チコリの旬は冬~春にかけて。みなさんも新鮮なチコリでサクサクの歯触りとほろ苦さを味わってみませんか?
埼玉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの藤田光樹でした。