まつのベジタブルガーデン

愛知県和食を飾る愛知の誇り~花穂・穂紫蘇~

畑の社会見学

愛知県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの中神ルミ子です。

今回、松野貞文社長の産地視察に同行しました。視察先は豊橋市の豊橋温室園芸農業協同組合。ここは1929年頃に生産者団体として活動を始め、1949年、全国でもユニークな温室園芸の販売専門農業協同組合として設立されました。現在の組合員数は239名。大葉、菊花、花穂・穂紫蘇、菊葉、エディブルフラワー、ベルローズ(ミニバラ)、ハーブ、鉢物の8部会があります。

まずは花穂のハウスへ。ご存知でしょうか?これが花穂です。

案内してくださったのは花穂・穂紫蘇部会の稲垣徳司部会長と佐藤恭章副部長。


葉を見ていただくとお分かりでしょうが、紫蘇の仲間です。

ハウスの中はとても暑く、作業は大変そうでした。1つの株にたくさん出てこないので、この状態であと1回花穂を収穫すると、全部抜いて植え替えます。次から次へと花が咲いて収穫できるわけではありません。花が咲き始めてからの収穫期間は冬は1週間、夏は3~4日しかないそうです。

紫蘇とは異なる種類で、葉は収穫せず、花の部分を手で摘み取り、カッターで長さを調整して出荷します。しっかり年間計画を立て、毎日出荷ができるように別のハウスでも栽培し、1日約500パックを作っています。

これがパックされた写真です。

(写真提供:愛知経済連様)


(写真提供:愛知経済連様)

次は穂紫蘇のハウスへ向かいました。

穂紫蘇は、花が終わって実になるものを収穫します。花穂とはまた違う品種で、通年出荷できるように冬と夏で品種が異なるそう。松野社長が「日本一の秘訣だなぁ」と感心していましたが、まさにその通りです。

また、農薬について尋ねると、「ここは営農指導がしっかりしていて、まずはネットで虫を防除し、農薬を使うときは専門家の指導のもと適正に使ってます」とのこと。その言葉を聞き、松野社長も「農薬の使用についても、やはり昔とは考え方が変わっているね。できるだけ多くの人たちに安心して使ってもらいたい気持ちは同じだね」と笑顔。

こちらが穂紫蘇。

(写真提供:愛知経済連様)

スーパーなどではなかなか見かけることの少ない貴重な穂紫蘇、もし店頭で見かけたらぜひ手にとってみて下さいね。

ところで、今回、豊橋市で有名な「魚貝三昧げんや」で会食をすると、ここの名物「昆布さば」に花穂が添えられていました。

生産者さんに聞いた通り、飾りだけでなく食用に散らしてみると

見た目も華やかになりますよね。ほんのり紫蘇の香りと風味が加わります!

そして「愛知県三河湾の旬の貝刺盛」にも花穂が!

さすが豊橋の料亭です。地元直送の花穂です。

地元の特産の花穂をこのように料理に取り入れていること、私も嬉しくなりました。

「和食に使われている食材で食べられないものはないと思う。大葉はたたくと香りが出る、花穂も花を落として醤油に散らすなど、こういう和食の素材の使い方がいつの間にか忘れ去られてしまっています」と語る生産者の言葉に、「花穂も穂紫蘇も愛知の誇り。こうした日本の食文化は後世にきちんと伝えていかなければならないな」と松野社長も頷きます。

201312月に「和食」が日本人の伝統的な食文化としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。世界的にも注目されている和食、その文化や食材を後世にしっかりと伝え、大切に守り継いでいきたいですね。

 

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