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東京都のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの増田智子です。
朝晩の寒さが緩み、とても過ごしやすい季節になってきましたね。晴天の日曜日、野菜ソムリエの友人の紹介で東京都調布市にある遠藤農園を訪ねました。園主の遠藤好照さん。笑顔が素敵でとても気さくな方です。
遠藤農園は新宿駅から京王線で約20分のつつじヶ丘駅近くにあります。駅からも徒歩5分!このアクセスの良さを生かして遠藤農園では「アグリック」農と食を楽しもう!と、体験農業ができるイベントを開催しています。アグリックとは農業と旬の野菜を味わうことを楽しもう!という意味の言葉だそうです。
この日の参加者は私・友人と、他の2名の常連さん。私は初心者ながらすぐに皆様のお仲間に入れてもらい、アットホームな雰囲気の中で「アグリック」の体験をしてきました。その様子をお伝えします。
江戸時代から続く遠藤農園。こだわりは土づくりです。出来るだけ化学肥料は使わずに有機肥料を使って作られています。
(写真提供 遠藤農園)
写真の袋にはケヤキの葉っぱが入っています。
(写真提供 遠藤農園)
牡蠣殻、ぬか、かつお節などとともに土に混ぜ込み、土の中のバクテリアを元気にさせて、ふかふかの土を作ります。柔らかい土では野菜の根がすくすくと伸びて張ることができ、味のしっかりしたとても美味しい野菜が収穫出来るそうです。
では、早速農作業に入っていきましょう。
まずは枝豆の種まきです。青色が付いているのはわかりやすくするため。
シートの穴に2粒ずつ置いていって、手の指第二関節ほどの穴を掘って入れていきます。
日ごろ農作業することはほとんど無いので、土に触れると童心に返ってワクワクしますね。そして土作りにこだわっている遠藤さんの畑の土は本当にふっかふか。とても柔らかくてびっくりです。 芽が出なかったら責任重大〜!おいしい枝豆が食べられるように丁寧に。でも楽しく!一つ一つまいていきました。
次は10センチほどに育った苗を定植です。ひょっこり目が出ている姿はなんとも可愛らしいですね。
早く大きくなれ、豆のつる。美味しい枝豆をならしてね。そんなことをしているうちに遠藤さんがトラクターを動かし始めました。
「乗ってみる?」さも私が運転しているかのように。もちろん素人には動かせません。農業をされている方には当たり前の乗り物ですが、農業に興味はあれど、触ったことがないトラクター。私たちには憧れの乗り物です。
土を掘り起こすのに大変便利なのですが、意外に大きな音がします。近隣のお家に配慮が必要なんだそうです。朝8時、9時にトラクターを使っていると苦情が来ることも。それ以外にもこのふわふわの土やホコリが、風が吹くと飛んで行き、雨が降ると土が流れたり。そういったことも苦情の原因になるそうです。東京の生産者さんを訪問すると周りのおうちに気を使っているお話をよく伺います。
さて次は。「ネットをかけるよー」
みんなで手伝って何十メートルもある長~いネットを枝豆の種と苗を植た上にかけていきます。大豆ですから小鳥たちにとってはごちそう。食べられてしまわないようにネットがどうしても必要だそうです。私も何度か農業体験はしたことがありますが、ネットをかける体験は初めてです。収穫だけ、種まきだけ、など楽しい所だけの体験ではなく他のことも色々と手伝わせていただけるのは嬉しいことですね。
さて、休憩タイムです。みんなでお茶を飲みながら井戸端会議。このおしゃべりが意外に面白いのです。遠藤さんの楽しいお話がたっぷり聞けることもあります。この日は残念ながら特別ゲストが来ていて女性だけの楽しいお茶会でした。休憩の後はお待ちかねの収穫。
その時畑にあるものをたっぷりと収穫させていただけます。
ふき、根深ネギ、プチヴェール、のらぼう菜、にら、イタリアンパセリ。この日は端境期であったので通常よりは少ないとの事。それでも!畑へ行かないと手に入らないようなものをいくつも収穫させていただきました。
ネギ坊主。これって食べられるんですね!常連で自分でも畑をやっている友人が天ぷらにするとおいしいよと教えてくれました。
なるほど!大きく開きすぎているものは苦味が出て食べづらいですが、きゅっとしまったものは甘みもありプチプチとした食感がとてもおいしかったです。ネギの中の部分はトロット甘くなりこれはお酒のおつまみにもオススメです。
プチヴェールの菜花も収穫させていただきました。見た目にも、触ったときにも、柔らかいつぼみ。
さっと茹でて、河内晩柑とでサラダを作りました。果汁とオリーブオイル、塩、こしょうなどで甘酸っぱいドレッシングを作りあえます。プチヴェールの柔らかさ、甘みも感じられる爽やかなサラダになりました。
のらぼう菜
これも菜花になってしまっていますが、摘んで帰ってさっと塩茹でしたら、柔らかくて美味しかったです!
シンプルにマヨネーズに鰹節をかいたものを振りかけて。
茹で豚に、遠藤農園の柔らかなネギとニラをたっぷりいれた香味だれをかけて。
春を満喫できるお料理が出来あがりました。
(左奥 遠藤農園のやわらかいニラを醤油づけの卵で・左手前 ふきと油揚げの煮物。出汁にこだわりじっくりと煮ました)
そして、畑に行かなければ見られない花とも出会えました。なんだかわかりますか?
淡い紫色の花は「そら豆」。こんなに可憐な花が咲くんですね。初めて見ました。
先に植えたものは、すでに天に向かって房が膨らみはじめています。ふっくらとした美味しいそら豆が食べられるのも、もうしばらくです。一回限りの体験農業ではなく、定期的に通える遠藤農園だからこそ。自分の植えた野菜を見守ったり、次の収穫物を楽しみにしたりできるんですね。
遠藤農園では、畑の近くに直売所を設けていて、このふわふわの土でのびのびと育った野菜を購入することが可能です。また、月に2回ほど農業体験ができるイベント開催しています。これからはトマト、枝豆が美味しくなる時期だそう。詳しくはホームページをご参照ください。
このように、最近では都内でも気軽に農業体験ができるところがあるようです。気候も良くなってきたので、畑に出かけてみませんか?
東京都のまつのベジフルサポーター野菜ソムリエプロ増田智子でした。