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静岡県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの小櫛香穂です。
今回ご紹介するのは世界最古のハーブといわれる「フェンネル」。和名を「ウイキョウ」といい、江戸時代には日本でもすでに栽培されていたというから驚きです。ジメジメと蒸し暑くなる梅雨の時期、爽やかな香りの「フェンネル」が育つ様子をお届けします。
訪問したのは、静岡県函南町丹那地区の「酪農王国オラッチェ」。多くの観光客で賑わう人気のスポットです。
こちらは酪農王国株式会社営業管理部企画課課長の井口直哉さん。
「丹那地区は『風の谷』と呼ばれていて、ここではビニールハウスが飛ばされてしまうほど強い風が吹き抜ける場所です。そのため野菜は露地栽培のみ。『函南めぐり野菜』として、その時期の気候に合った野菜だけを作ります」と井口さん。「函南めぐり野菜」は、函南町内で農業を営む「神尾ファーム」が牛ふん堆肥でつくる減農薬栽培の野菜です。昨年12月に協働でブランド化しました。
この地域は約130年前より酪農が行われてきた県内有数の酪農エリアです。そして、昔から酪農資源として堆肥を利用した豊かな土壌で野菜を栽培してきました。
こちらが牛ふん堆肥「丹那百年堆肥 緩衝力(かんしょうりき)」。
近くの生産プラントで良質の堆肥に仕上げるため、発酵温度70度以上で180日以上かけ完熟発酵させるとのこと。手に取ってみると、水分が少なくサラサラで臭いも全くと言っていいほどありません。この堆肥にはゆっくりと育つ根菜類が特におすすめだそう。
酪農が盛んな一方で、酪農家の数が減少しているのも事実。だからこそ、昔から行われてきた地域循環型農業や酪農資源の牛ふん堆肥を大切にしています。
こちらは「フローレンス・フェンネル」。肥大した根元が特徴です。外観はセロリに似ているでしょうか。フサフサした葉は細いながらもかなりのボリュームがあります。
肥大した球茎は手のひらほどの大きさ。細かく刻んでサラダやスープの食材として利用できます。
この時の背丈は1メートルほど。このままさらに大きくなり、2メートル近くにもなるとか。背丈があるため、風の影響を受けて成長するにつれて葉が折れてしまうことも。
こちらは同じ形状の葉をもつ「スティッキオ」。
食味や香りはフェンネルと同じで、日本向けに小型に改良されたものだそう。
風にそよぐフェンネルの葉はとても涼しげです。
この若葉はサラダやソース、ドレッシングなどにも利用できるほか、清涼感があり魚料理にとても合います。鼻を近づけるだけで甘さのある爽やかな香りが漂います。7月頃には黄色い小さな花が見られるそうですよ。後編ではフェンネルを使った簡単料理をご紹介しますのでお楽しみに!
静岡県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの小櫛香穂でした。