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愛知県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの中神ルミ子です。
この度の台風で愛知県田原市と豊橋市も多大な被害を受けました。心よりお見舞い申し上げます。記録的な暑さだった7月、私は昼夜問わず6回、ハウスへ通いました。その理由は…
「ドラゴンフルーツ」に会いたくて!こちらのドラゴンフルーツを栽培しているのは、田原市の冨田勇さん、治子さんご夫婦。ドラゴンフルーツといえば南国沖縄を連想しますが、ここ田原市でも栽培されています。
冨田さんはほぼ毎日「道の駅田原めっくんはうす」や「道の駅あかばねロコステーション」に農産物を出荷しています。私は2年前に冨田さんからドラゴンフルーツ栽培の面白さを聞いてからずっと気になってましたが、今年やっと訪問できました。
冨田さんがドラゴンフルーツ栽培を始めたのは約20年前。治子さんがたまたまネットで見つけた2本の苗から始まりました。今では約70本。ドラゴンフルーツは赤と白があり、現在は両方作ってます。ハウスの中に入ると…
まるで竜が空に昇っているようです!
収穫できるのは、芽が出てから約2ヶ月。こちらは芽が出てきて2~3日したもの。
2週間後には…
このように膨らみます。下の写真のように先が赤いものが、果肉の赤いドラゴンフルーツです。白と赤の木は別物なんです。
ここから約2週間後、いよいよ花が咲きます。
「これ、今日の夜咲くからね」と聞いたので、夜に再訪してハウスの中に入ると、昼間とは全く違う光景が!
この日は400個ほど咲いていました。一日に600個以上咲く日もあるそうで、冨田さんによると、「月夜と闇夜に咲く」とのこと。つまり満月と新月ですね。
赤色のドラゴンフルーツは自分の花粉では受粉しにくいらしく、白色の雌しべをとっておいて、赤色が咲いたときに受粉させます。そこで困ったことに、いつも白色より赤色の花の方が1日咲くのが早いらしいのです。そのため赤色しか咲かない日の為に、冨田さんは白色の花粉を冷蔵庫へ入れてとっておき、赤色が咲いた時に一つ一つ手で受粉させます。花が咲くのは夜のみ。もちろん受粉作業も夜8時以降です。
花は翌日の朝にはしぼんでしまいます。
この花の部分は自然に落ちますが、手で取り除くことも。
花がなくなると大きな穴が空いてしまいますが、実が大きくなるにつれて徐々に小さくなります。
このように実が鮮やかに赤みを帯びてきたらいよいよ収穫。
これは7月下旬、冨田さんのドラゴンフルーツで一番最初に赤くなったもの。冨田さんから「今日収穫するでおいでんよ」と声をかけていただき、初物の収穫に立ち合うことができました。
ドラゴンフルーツは茎にしっかりくっついているので、手ではなかなか取れません。ハサミで切るにもコツが要り、刃先を奥深くまで入れて茎までえぐるように切り取るそうです。収穫作業は力仕事なので勇さんの役目。収穫したばかりのドラゴンフルーツはベタベタしているので、それを洗って袋に詰めるのは治子さん。二人仲良く作業を分担しています。
ドラゴンフルーツの時期になると毎日二人で夕方にハウスへ行き、「今日はここに花が咲くね」「明日はこれが収穫できるね」などと話しているそうで、冨田さんご夫婦は「年寄りの楽しみだよ」と笑顔で話してくれました。二人の愛情あふれるドラゴンフルーツです。
さて、こちらが初物のドラゴンフルーツ!食べ方は、半分に切ってスプーンですくって食べるか、4つに切って皮をむいて食べるのがおすすめだそう。皮が簡単にはがれます。
ドラゴンフルーツには赤と白がありますね。白は赤よりも少し酸味があり、赤は酸味に加えて甘味もあります。秋のドラゴンフルーツは夏よりも収穫期間が長いので、もっと味がのってくるとのこと。栄養価としては、ビタミン類のほか、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれています。赤いものは色素が強く、手につくとなかなかとれないほど。抗酸化物質の効果が強い証ですね。
今回は「夜の女王」と呼ばれることもあるドラゴンフルーツの花に魅了されました。月下美人に良く似ていますが、この花が数百個咲いた光景は圧巻です!
愛知県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの中神ルミ子でした。