まつのベジタブルガーデン

山梨県耕作放棄地減少の切り札!富士北麓で育つ「ルバーブ」

まつのベジフルサポーターレポート

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実です。

今回は富士山の麓、株式会社まつの松野貞文社長の故郷・富士吉田市へ。

松野社長は「富士吉田ふるさと応援団」のひとりでもあります。

今では「まつの幸せフルーツボックス」などが富士吉田市のふるさと納税の返礼品にも採用され、ご好評をいただいています。

そんな富士吉田市でルバーブ栽培に取り組んでいるのが、「富士山やさいルバーブ研究会」責任者の佐藤正二さん(左)と圃場主の奥脇孝一さん。
佐藤さん奥秋さん
シベリア南部原産で冷涼な気候を好むルバーブにとって、標高約800メートルの富士吉田市の環境は栽培に適しているはずなのですが、この日は30度を超える真夏日。連日暑さが続いていたため、ルバーブも佐藤さんも少々お疲れ気味でした。
暑さに弱いルバーブ
元々じゃがいもやナスなどの果菜類を中心に野菜を栽培していたこの地にルバーブを植えたのは2017年。鹿による農業被害が深刻だったため、いつしか栽培をやめ、耕作放棄地となっていた土地を有効活用できないか、と取り入れられたのがルバーブでした。

ルバーブは佐藤さんの奥様が30年以上前から自宅の庭で自家用に育てており、「あまり手間のかからないルバーブなら、耕作放棄地を減らすきっかけになるのでは」と考えたのだそう。
少々お疲れ気味
ルバーブはタデ科カラダイオウ属で和名は「食用大黄(ショクヨウダイオウ)」。漢方薬として使われている「大黄」の一種です。アメリカやヨーロッパでは生でサラダにしたりジャムなどの加工品にしたりするポピュラーな野菜。食物繊維が豊富で、腸内環境を整える効果が期待できます。

多年草で外観はキク科のフキに似ていますが全くの別物。葉は大きいですが、シュウ酸を多く含んでおり、食べることはできません。そのおかげか、今のところ鹿の被害はないそうです。
大きな葉
食用になるのは葉柄の部分で30~40センチほど。大きく分けると緑茎系と赤茎系がありますが、こちらで栽培されているのは緑茎系。しかし気候や生育環境によってストレスがかかると、写真のように赤みがかることがあるそう。緑茎系のルバーブは苦みやアクが少なく、食べやすいと言われています。
やや赤みがかったルバーブ
先に苗を作って秋に定植し、最初の収穫は春。定植前に元肥として土に米ぬかを混ぜたそうですが、追肥はなし。農薬も使うことなく育ちます。この日は2度目の収穫期の終盤でした。例年より気温が高い日が続いたため、葉が黄色くなって収穫できないものも。収穫期を逃して黄色くなったルバーブの葉柄は穴が開いてスカスカになってしまいます。
穴の開いたルバーブの茎
こちらは新芽。ルバーブは1年に3回ほど収穫期があり、次回は秋頃。立派に育つよう願いつつ、残しておきます。
新芽
収穫したばかりのルバーブを口に含んでみました。「すっぱい!でも、クセになりそう!」酸味が強いですが、後味はスッキリ。「お店のメニューでルバーブサワーがあったら人気が出そう!」と思いました。
いざ生食!
収穫したルバーブは、生のままや加工品にして近隣の直売所などで販売されており、その加工品の1つに「ルバーブグリーンスムージー」があります。これは、ルバーブをベースに山梨県産の白桃や国産のりんご果汁などを加え、地下150メートルから汲み上げた富士山の伏流水を使って仕上げています。
ルバーブグリーンスムージー
道の駅富士吉田などで購入できるほか、ふるさと納税返礼品の中でも特に人気の「まつの幸せフルーツボックス『富士山宝石箱』」にも年に数回入ることがあるのでお楽しみに!

詳細は以下を参照してください。

収穫したばかりのルバーブ、早速調理してみます。アク抜きのために水につけることもありますが、採りたてなのでそのまま加工しましょう。
収穫したてのルバーブ
まずは「塩煮」。細かく切ったルバーブに重さの10パーセントの塩を振って時間をおき、水が出てきたらとろみがつくまで10分ほど火にかければ完成です。
ルバーブ塩煮
そのまま炊き立てご飯にのせたり、おにぎりの具にも使えます。
塩煮のっけ飯
ゴーヤと蒸し鶏をルバーブの塩煮と和えるだけで箸休めに。
ゴーヤと蒸し鶏の塩煮和え
普段は甘辛いきんぴらですが、今回は塩煮と同量のみりんで夏らしくさわやかなに味に仕上げてみました。練り梅のような味わいの塩煮は大葉との相性もピッタリです。
塩煮きんぴら
そしてこちらはジャム。レシピは真っ赤なルバーブの収穫体験へ【かぼちゃん農園】の記事と同じですが、今回は緑茎系なので、色の違いがおもしろいですね。
ルバーブジャム
パンやヨーグルトに添えるのはもちろん。
パンとジャム
酢とオリーブオイル・塩胡椒をプラスしてドレッシングにも!
ドレッシング
こちらは豚肉にジャムと同量の醤油で作ったタレを絡めて焼きました。甘めの味付けが食欲をそそります。
ルバーブジャムソース
塩煮もジャムも保存ができますので、作っておくとルバーブを長く楽しめるのでオススメです。

今回案内していただいた圃場の隣には、きれいに整えられた土地がありました。
整えられた農地
「これからもっと畑を増やしていくよ」と佐藤さん。富士北麓には耕作放棄地となっている土地が多いため、「ルバーブを植えることで耕作放棄地を解消し、ルバーブの収穫量を増やして特産品としての価値を高めていきたい」というのが佐藤さんをはじめ富士山やさいルバーブ研究会の願い。
青々としたルバーブ
ルバーブは耕作放棄地減少の切り札となるだけでなく、地域おこしにもつながる可能性を秘めていると感じました。

山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実でした。

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