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長野県まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの戸谷澄子です。
日本のほぼ中央、長野県と山梨県の県境に位置する富士見高原にある「かぼちゃん農園」から真っ赤に色づいた、まさに今が旬の赤ルバーブをご紹介します。
目が覚めるような赤ですね。ルバーブは、シベリア南部・チベット地方原産のタデ科の多年生植物です。和名では「ショクヨウダイオウ」と呼ばれています。
ルバーブには、青茎と赤茎がありますが、ご紹介する赤ルバーブは青ルバーブに比べ、葉も茎も小柄で高原地帯でなければ栽培が難しい希少品種です。生育過程で遮光して赤くする方法もあるそうですが、ここ富士見高原で作られる赤ルバーブは露地栽培。昼夜の気温の温度差が10度以上になるとグッと赤く色付き始めるそうで、まさに今が旬です。
かぼちゃん農園の五味一典さん。奥さまとふたりで現在2000株以上の赤ルバーブを栽培されています。ルバーブは水はけのよいアルカリ性の土壌を好むそう。こちらの農園では、有機肥料を主体に栽培されていて、長野県のエコファーマー認定も受けています。1年を通して、5月下旬~、7月上旬~、9月下旬~と、1つの株で3回収穫できるそうですが、この秋の時期が最も赤色が際立ち、酸味もまろやかになるそうです。
赤ルバーブはその成長が早くて育てやすく、4月に株を植えたらもう7月からは収穫ができ、初年でも2回の収穫が可能です。しかし、5~6年経過するとこちらの写真のように
株の中央からは生育せず、外側に広がり、茎の細いものしかできなくなり生産量が落ちてしまうので、5~6年で株分けが必要になります。
ルバーブの鮮やかな赤色は、ポリフェノールの一種アントシアニン。抗酸化作用があり動脈硬化の予防やアンチエイジングに効果があるとされています。更に、ビタミンCやカルシウム、食物繊維も多く含まれており、肉の消化を助ける酵素も含まれることから、食後のデザートとして利用されることが多く、その美しい色合いとヘルシーさから赤ルバーブが注目されています。
更に、五味さんが作るルバーブには、赤茎と青茎のルバーブを掛け合わせて作った新品種「ふじみるびー53」があります。
青茎の特徴である茎の太さ、そして赤茎の色合いを兼ね備えた「ふじみるびー53」。取材に訪れた日は、まだ赤みが付き始めたばかりでしたが、その太さに驚きました。「ふじみるびー53」の特徴は、その太さゆえに、洋菓子用に砂糖で煮ても形がしっかり残り、さらに酸味がとてもおだやか。加熱すると美しいルビー色になるので、タルトにしたいと多くのパティシエから依頼されるそうですが、まだ株数も少なく希少なので、こらからもっと増やしていきたいそうです。
これはルバーブの葉。フキに似ていますね。その大きさは、私の手の平の倍以上もあります。
葉が大きくて綺麗なものは、その茎も大きくて美しいそうです。収穫も体験!大きな葉を選び茎の根元を両手で掴み、スッと斜め上に1本ずつ抜いていきます。
スーパーのカゴになんとか入る大きさでした。その後、長さは切り揃えられ、袋詰めして出荷されます。
細かく切り落とされた部分は、ジュースやジャム、ドライルバーブなどに加工されます。
ドライルバーブを試食させていただきました。鮮やかなルビー色がとても可愛らしく、適度な歯ごたえで噛めば噛むほど甘酸っぱく、あとひく美味しさでした。
毎朝、早朝から収穫された赤ルバーブは、その日のうちに首都圏の高級スーパーマーケットやレストラン、百貨店をはじめ、全国の洋菓子店へと発送されていきます。
五味さんは以前、地元にある大手食品加工会社の営業マンでした。退職後、そのノウハウを活かし、ひとり各地に営業に回り、販売先を開拓されてきました。
「毎年、気象条件(気温と降雨量、日照時間等)が異なるから栽培は大変だね。でも、お客様に対して品切れの無いように安定的に供給する事をモットーに頑張ってきた。お客様にお届けしたとき喜んでいただけること、この赤ルバーブを通じて心のふれあいが得られることに一番の幸せを感じるね。」と嬉しそうに話してくださいました。
現在出荷しているうちの8割は、五味さんの作るルバーブに惚れ込んでくださっているリピーターさんだそうです。そんなところからも、五味さんのお人柄がうかがえます。
さて、さっそく五味さんに教わった、赤ルバーブの塩漬けに挑戦しました。
【作り方】
1.洗った赤ルバーブは3㎝くらいの長さで切り、一度熱湯にくぐらせ、すぐにザルにあげます。(この時、湯通しの時間が長すぎるとルバーブがやわらかくなってしまうので注意した方がいいそうです。)
2.赤ルバーブ100gに対して8gの塩をまぶし、熱湯消毒した保存容器に入れます。その後は冷蔵庫で保存し、毎日1回は容器を振って出てきた水分をなじませながら2~3日で完成。
この他にも、赤ルバーブの醤油漬けも挑戦してみました。
それぞれまだ仕込んだばかりですが、刻んでおにぎりにまぶしたり、ペースト状にして梅肉のように使ったりと赤ルバーブのお料理の幅も広がりそうで、今から楽しみです。
長野県まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの戸谷澄子でした。