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こんにちは、初めまして。
今月から佐賀県のまつのベジフルサポーターとして活動させて頂くことになりました。
ジュニア野菜ソムリエ・食育マイスター 前田成慧(まえだなりえ)です。
どうぞ宜しくお願い致します。
さて、今回佐賀県唐津市で珍しいイチジクを栽培されている富田農園さんを訪ねました。
このイチジク分かりますか?色が黒い!?そうこれは「黒いダイヤ」と別名のあるフランス生まれの『ビオレソリエス』という品種の黒イチジクです。ヨーロッパでは主流で人気の高いイチジクの品種なのですが、日本では栽培が難しく、手間暇がかかるためまだ国内で極わずかな生産者しかいません。
長年(約35年以上)イチジクの生産に携わっていた富田さんでさえ10年目にしてやっと実をつけることに成功したそうです。
[写真:富田秀俊さん]
「5年頑張っても実らない作物は、皆があきらめる。イチジクは葉が一枚なったら実も一つつける。絶対にあきらめない!! 今年実らなかったら撤退する。」と、家族に公言して、今まで試していない手法を用い栽培に成功されたそうです。農作物の栽培は毎年同じではなく、常にチャレンジをしている!と素敵な笑顔でおっしゃっていました。
約60アール広がるイチジク農園は唐津湾の見える山沿いにあり足を踏み入れると素晴らしいほどに葉が揚々とした風景でした。今までハウスでのイチジク栽培しか見た事がなかったのですごく感激してしまいました。葉、実の色が、美しいのなんのって…。
栽培の特徴は、一本の木から大きな枝を4~5本伸ばし実のなる結果枝といわれる細い枝を25本程立てます。1本の結果枝からは10個前後収穫でき1本の木から約1000個以上は出荷できるそうです。
「見てみんしゃい。木漏れ日のように 日の光が葉っぱや実によ~と当たらなぁ~いかんと。」と言われ、見てみると…葉がキレイに広がっていて重なる所が少ないことに気づかされました。落葉するような葉(色の変わった)が一つもなく、愛情こめて栽培していることが木を見るだけで分かります。実も輝いて見えました。
富田さんは、「ビオレソリエスを国内生産1%以上にしたい!」とイチジクの生産者指導もされているそうです。しかし、フランスと日本の気候風土が違いすぎるのか…熱のこもった生産指導のもとビオレソリエスの生産・出荷に成功している人は全国でも、数戸のみ。
富田農園さんのビオレソリエスは糖度は高く20度以上!甘さが蜜のようで果肉は柔らかく舌がとろ~りとろけるようで、ぷちぷちっとした食感が癖になりそうです。
もちろんイチジクは生食が一番!ですが 加工品も作ってらっしゃいました。こちらはビオレソリエスのドライフルーツ。
こちらはセミドライフルーツです。
直売所 鳴神の庄(唐津市七山)にて販売されています。
http://www.asobo-saga.jp/search/detail.html?id=39
佐賀県唐津産のビオレソリエスの特徴は黒イチジクと呼ばれるだけあって、外皮が黒紫色をしていますが果肉も他のイチジクと違います。 粒々している果肉と皮の部分の間の白いところが少ないのです。皮が薄いということで他のイチジクにない食感を作っています。果肉(つぶつぶ状のもの)が大きいのですが、ぷちぷち食感が柔らかいです。
果重は50~80gのやや小ぶりで、果頂が裂けにくく日持ちが良いです。
佐渡島でもビオレソリエスの品種は栽培されていますが、生産者や生産地によってまったく違った特徴をもっています。
【食育メモ】
イチジクの中に詰まっているつぶつぶ状のものはなんと「花」なのです。イチジクを漢字で書くと「無花果」。花は実の中に隠れて咲くという 変わったしくみです。
実際、枝には花らしい花は咲くことはありません。私達が食べているタネと思っていた所は、実は「花」だったんですね。また、6000年以上も前から栽培されていたそうでビタミンやミネラルを多く含み、クスリとして食べられていたそうです。特に食物繊維が多く腸の活動を活発にしてくれたり、たんぱく質の消化を助ける酵素もあるのでお肉と一緒に食すとよいですね。ちなみに、ビオレソリエスの「ビオレ」とはフランス語の紫という意味です。
さっそく 黒イチジクを使ってシンプルなサラダにしてみました。こだわりのイチジクはねっとりと甘く、生ハムにとっても合いました。今まで食べてきたイチジクより癖になる甘みと食感です。また食べたい…。富田さんの黒イチジク!!!
佐賀県は九州の北西部にあり東は福岡、西は長崎に接し玄界灘、有明海に面しています。海の幸、山の幸と農産物も魅力的な佐賀県の旬の野菜・果物情報をたくさんの方にご紹介できればと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
佐賀県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ&食育マイスター
前田成慧(なりえ)でした。