まつのベジタブルガーデン

熊本県長くて大きくて柔らかい!これぞ熊本のナス

畑の社会見学

みなさま、こんにちは。熊本県のまつのベジフルサポーター野菜ソムリエの佐藤真美です。

今回は生産量全国第2位の(参考:平成26年度農林水産省調べ)熊本の「ナス」をご紹介!「ナス」と言っても全国津々浦々いろいろな種類のナスがありますが、日本だけでも約180種類以上あると言われています。みなさまは普段どのようなナスを食べられていますか?熊本でよく食べられているナスは「筑陽ナス」という品種です。

分類は長ナスになり、黒陽という品種を改良したもの。

この「筑陽ナス」の生産者を訪問させて頂きました。ここは熊本県合志市上庄地区

ここは昔、竹迫城(たかばじょう)というお城があり、城下町として栄えた集落です。

ここでハウス栽培されている「筑陽ナス」は 、関東で好まれるナスのサイズの約2倍の大きさ!熊本では大きいナスが主流なんです。そして黒紫色の輝き、ツヤツヤでパリッとした張り、本当に美しいの一言。

そしてこの断面!みずみずしくて、果肉がふんわり水分が、ジュワッとにじみ出ています。

ナスは花が咲き、次に花が枯れ落ち、ガクの中からナスの実がどんどんふくらんで実になります。

地面の黒いシートの中に肥料が通るホースが入っており、そこから肥料が配分され栄養をぐんぐん吸収します。

そのため上に上に成長しますが、ハウス栽培なのでよく伸びます。伸びた茎は白い紐に巻き付けていく。その作業を毎日行うそうです。
また花を一つ一つ見て成長や状態を確認します。ハウス栽培なので受粉も人の手で行い、受粉後の花には食紅を付けて印をつけていきます。
ハウス内の花を全部見ていく…生産者のご苦労があって私たちはおいしい野菜を食べているということを忘れてはなりません。

ハウス栽培のナスは6月下旬まで。夏のハウス栽培は暑すぎて表面にヒビが入ってくるとのことでした。また、直売所には特に大きいものを出荷しているそうで、とても人気だそうです。

7月からは露地栽培のナスが大活躍。身近な露地栽培と言えば家庭菜園。
家庭菜園の醍醐味は収穫できる楽しさですね。
さて、熊本には他にも生産されているナスがあります。一つ目は「大長ナス」
約40㎝〜50㎝ととても長く、皮はしっかり固く張りがあり、果肉は柔らかいのが特徴です。スイカの後作として昭和50年代より導入されました。熊本ではこれ一本で一品の料理を作るのが普通なんです。

二つ目は「熊本赤ナス」
バーベキューなら赤ナスが定番。皮は赤紫色をしており、果肉はアクが少なく柔らかく、加熱するとチーズのようにトロトロ。以前は熊本長ナスと呼ばれ、戦前から栽培されていました。

右に小ナスを目安に置いてみると…左から大長ナス、熊本赤ナス、筑陽ナス(直売所用、市場出荷用)、まるで家族のようです。
このように熊本には個性的なナスが多いため、特徴を生かしたナス料理ができます。
(左上から)ナス入りガパオライス、韓国風麻婆ナス、ナスの冷製中華サラダ、ナスの浅漬けのせ素麺、赤ナスの味噌チーズ焼き、大長ナスのカップサラダ…どんな料理にも合いますね。

ではナスの栄養素はどうでしょう?ナスは栄養素が少ないイメージがあるようですが、カルシウムや食物繊維なども含まれているのです。また、ナスニンと言われる色素成分は、ポリフェノールの一種。実はもちろん、茎や花、葉脈までもが黒紫色をしていることろが私はとても大好きです。
ナスニンには、生活習慣病予防や抗酸化作用、眼精疲労に効果が期待できます。食べる場合は、皮ごと食べるようにしましょう。

地域で形も色も変わるナス!みなさんの地域でも新たなナスの発見があるかもしれませんね。発見して、食べる…伝える…それは地産地消につながります。

最後まで読んでくださりありがとうございました。熊本県まつのベジフルサポーター野菜ソムリエの佐藤真美でした。

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