長野県の諏訪地域で生産されるセルリー(セロリ・セロリー)は、夏季の国内生産量の約9割を占めていることをご存知ですか?最盛期を迎えた諏訪地域のセルリーは、東北から沖縄まで各地に出回り、市場でも高い評価を得ているブランド野菜。まつのでも取扱っており、多くの外食のお取引先様にご好評をいただいております。
初夏から秋にかけて、富士見町や原村周辺を訪れると一面に広がるセルリー畑に出会えます。こちらは標高1100mに位置する圃場。
勢いよく茂った葉はピンと元気いっぱい!空へと伸びる茎はとても美しく艶やか。
セルリーってこんなに大きかったっけ?…と感じてしまうくらい、驚くほど大きくて立派な株なんです。
収穫の際には、包丁を根元に深く差し込んで、太い茎を切り離します。
根元はこんなに太いんですよ!
さぁ、採れたてをガブリといただきま〜す!
あれ…苦くない?セルリー特有の苦みや強い香りはほとんど無く、パリッとした食感が最高に心地良いのです!
ここ長野県諏訪地域では、露地栽培の出荷時期は7月初めから10月中旬まで。この期間中、生産者さんたちは早朝から収穫・出荷作業で忙しい毎日を過ごしています。 2Lサイズは1.8kg以上にもなるので、収穫や袋詰めなどの作業は大変な重労働なのです。
そして、セルリーは収穫を迎えるまで栽培期間中も手間がかかる野菜。毎年2月中旬から作業を始め、播種から定植まで3ヵ月かかり、その間2回の植え替えが必要だそう。定植から収穫まで約70日もかかります。病害虫にも弱くデリケートで、日々の観察と温度管理、潅水がとても重要なのです。
丹精込めて育てたセルリーはこんなにも大きく立派でツヤツヤ輝いています!
こちらの諏訪地域で生まれた品種「諏訪3号」は、株にボリューム感があり、セルリー特有の香りが控えめ。茎は肉厚でやわらかく、スジも少なくてみずみずしく、生食でも加熱しても様々な調理法で味わえます。シンガポールや香港など、海外にも輸出されています。
また、諏訪地域の土壌成分とセルリーの特性を分析して、JA信州諏訪が開発したという専用の肥料があります。
セルリーはホウ素が欠乏することで障害が起きやすいため、ホウ素を微量含んでいるのが特徴。散布量が少なくても効き目があるので、コスト削減にもつながっているそう。
生産者さんのたゆまぬ努力とJAのバックアップ体制、そしてこの信州の豊かな自然が色鮮やかでみずみずしいセルリーを育み、高原野菜の一大産地を支えていることを実感した取材でした。