ハウスの中では、収穫期を迎えたレタスがみずみずしい輝きを放ち、サニーレタスも収穫間近です。
サンチュも食べ頃ですね。
ホウレン草もすくすくと成長しています。
でも、こんな当たり前の光景が再び見られるようになるとは、昨年春には想像もできなかったでしょう…
昨年2月、歴史に残る記録的大雪で山梨県の農業は甚大な被害を受けました。この白州郷牧場でもハウスが倒壊し、大きな被害を受けたことをまつのブログに書かせていただきました。
記録的大雪による被害の状況【山梨県北杜市】
白州郷牧場では、鶏舎9棟と野菜用ハウス8棟が倒壊し、一時は平飼い卵の出荷数がゼロにまで落ち込んだことも。卵1つ提供するのも厳しい危機的状況でしたが、全国から大勢のボランティアが駆けつけ、解体や撤去作業を手伝ったため、ハウス全棟の再建がスムーズに進み、今年の春、再出発を果たしました。
新設されたハウスの中では何事もなかったかのように成長している野菜たち…植物の生命力みなぎる空間です!
倒壊したハウスの写真を見ていただけに、こうして雪害を乗り越え、前へと進み続ける生産者さんの姿に胸が熱くなりました。
鶏の数もだいぶ増えてきたようです。それでも雪害以前の数には戻っていないそうですが、鶏舎の中を元気に走り回る鶏たちの元気な姿に私も安心いたしました。
鶏舎というと、鶏が一列に並んで身動きが取れないようなケージ飼いを想像しますが、ここにはケージが存在しません。光と風がたっぷり入る開放的な鶏舎は止まり木が設置され、羽ばたいたり、砂浴びをしたり、鶏本来の性質を大切に、自由に動き回れる環境になっています。
飼料には、ポストハーベストフリーで(収穫後に農薬を使用していない)遺伝子組み換えが行われていないトウモロコシや大豆を使用。糠やおからを発酵させたものを加え、自然のままの健康的な餌を与えることで鶏の腸内環境を良好に保っています。
だからでしょうか、ストレスフリーでのびのび育った鶏たちはとても穏やかで人懐こく、卵をよく産むそうです。
圃場では苗の定植作業が行われ、いよいよ露地栽培が始まります。
農場が設立されてから35年、有機JAS認証を取得し、ずっと無農薬・無化学肥料で野菜を栽培してきたそうです。現在は、新規就農を目指して研修を受けに来る若い人も多く、農業を学びながら働く環境を提供し、雇用の創出に貢献しています。
鶏の糞は野菜の肥料になり、畑で出る野菜の廃棄部分は鶏たち餌になる…そんな循環型の農業に取り組んでいます。
そして、バクテリアとミネラル、水を使った浄化システム「BMW技術」をいち早く取り入れて、その活性水を農場や鶏舎で使用しています。
「雪害後に大勢のボランティアが来て、助けてくださったり、今こうして今無農薬・無化学肥料で野菜を栽培できるのも35年間ずっと継続してきたからこそ。次の世代にこの環境を残せるよう私たちも継続していかなければ」と白州郷牧場の方は仰っていました。
ただ、北杜市も例外でなく今月はやはり長雨と低温、日照不足が影響し、例年より農作業が遅れている生産者さんが多いようです。これから夏に向けて、天候が安定してくれることを願うばかりです…!!
ところで、白州郷牧場さんですが、おっぽに亭こっこという直営の売店&レストランがあり白州の立ち寄りスポットとして人気を集めています。http://www.hakusyu.jp/opponi/
入り口にはこのように農場で採れた野菜が並んでいます。
今はまだ葉物だけですが、これから種類も量もどんどん増えていくことでしょう。
そうそう、「おっぽに」とは甲州弁で「たっぷり」という意味。
「たっぷりお腹いっぱい召し上がれ」店名にはそんな想いが込められています。
こちらでは、平飼い卵を使った卵かけご飯(鶏汁セット)が一番人気のメニュー。
赤米を入れた五分づきご飯に卵を落として、千切りの長芋と鰹節をトッピングして、いただきま〜す!
また、農場の鶏を加工して使用した白州鶏カレーもおすすめですよ。
農場で採れた季節の野菜が添えられていてスパイシーなチキンカレーに野菜の甘みが絶妙です。自家製の麹から作った甘酒が添えられているのも嬉しいですね。
食後には、やはり平飼い卵を使用した手作りのたまごプリンを…
農場と直結しているからこそ楽しめる料理の数々…まさに白州郷牧場の味を存分に堪能できます!
また、白州郷牧場では、白州の豊かな自然の中で農業や里山体験の場を提供する「キララの学校」も実施しており、毎年首都圏から大勢の子供たちを受け入れているそうです。
「農業」をキーワードに食の大切さを伝え続けている白州郷牧場http://www.hakusyu.jp
昨年の雪害を乗り越えて新たな第一歩を踏み出した姿に私も大きなパワーをいただいた気がしました!
昨年の雪害を乗り越えて新たな第一歩を踏み出した姿に私も大きなパワーをいただいた気がしました!