まつのベジタブルガーデン

岩手県農業と福祉をつなぐ田原農園 夏イチゴの産地化を目指して

まつのベジフルサポーターレポート

皆様こんにちは。
岩手県のまつのベジフルサポーター、シニア野菜ソムリエ、アンチエイジングプランナーの千田広子です。

梅雨明け間近の先日、脱サラして夏イチゴ栽培を始めた雫石町の田原農園を訪問して参りました。

雫石町は岩手県の中心部盛岡市から車で西へ30分程度。小岩井農場があり、秋田県に隣接する自然豊かな町。

ジュニア野菜ソムリエの資格を持つ田原さんは息子さんと一緒に、岩手生まれの夏イチゴと同じく岩手生まれのクッキングトマトすずこまの栽培を行なっています。

近頃は一年中イチゴを見かけるようになりましたが、そもそも高温多湿を嫌うイチゴ、夏秋イチゴはアメリカからの輸入が多く、酸っぱくて硬いイメージでした。

 

時計周りに、なつあかり、すずあかね、よつぼし、デコルージュ。この4種は明らかに食味が違って食べ比べが楽しい!ぷーんと甘い香りに包まれて「乾杯」

糖度、酸度のバランスが良く、この時期に貴重な生食用のイチゴ。それぞれ素晴らしい出来栄えでした。
【なつあかり】はパック詰めで産直で販売され、【すずあかね】は県内のケーキやさんなどに引き取られます。 

image

コラーゲンの生成や、シミ ・ソバカスの原因になるメラニン色素の生成を抑える働きがあるビタミンC。夏の日差しでダメージを受けたお肌に1日の推奨量(100mg)のビタミンCがひとパック8粒のイチゴで補われるのは魅力的ですね!

田原農園ではイチゴもトマトも震災後三陸復興の為の農業システムとして推奨される「岩手大学方式」の栽培方法を取り入れていました。

もみ殻培土と不織布を利用した高設栽培。

潅水はタイマー制御、点滴潅水、電照装置を設置がポイントです。ハウス内は綺麗に整備されており、至る所に独自の工夫もされていました。

イチゴの受粉作業は西洋ミツバチ。ミツバチの受粉により綺麗な三角形のイチゴになるとのこと。7月から11月迄の収穫期間の後には蜂蜜もお楽しみ。

こちらは、来年の高設ベンチ入りを待つイチゴ苗。生産者間などで苗の販売や譲渡は種苗法により禁じられている品種が多いので注意が必要なのだそうです。

現在、岩手県内の夏イチゴ生産者は八幡平市や田野畑村、盛岡近郊など数カ所。田原さんは「なつあかり研究会」の事務局として産地化に向けた取り組みを続けています。

女性でも、高齢者でも、障がい者でも無理なく栽培可能なシステムなことから雇用は岩手県の保健所と連携し、働き手を確保しています。まさに農業と福祉を繋いでいますね。

ハンディーキャップがあっても芸術やITの分野で成功している人がいる農業ビジネスの分野でもぜひ成功例を作りたい。自分だって経営者になれる、社長になれることを、子供たちに教えたいと、積極的に支援学校の生徒の受け入れも行なっています。 

子供たちの植物を可愛がることで得る達成感は、表情で一目瞭然なのだそう。農業の新しい形を追求していく姿に一同心を動かされました。雫石町を始め、岩手の冷涼な気候を利用した夏イチゴ栽培が認知されるようこれからも応援して行きたいと思います。

お問い合わせは
岩手県岩手郡雫石町  田原農園
TEL  019-618-3315
tahara@kki.biglobe.ne.jp

岩手県のまつのベジフルサポーター、シニア野菜ソムリエ、アンチエイジングプランナーの千田広子のレポートでした。

岩手県の記事