まつのベジタブルガーデン

長野県お店でパンを選べる「楽しさ」「美味しさ」を伝えたくて

まつのベジフルサポーターレポート

長野県まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの戸谷澄子です。

「たった今、塩パンが焼きあがりました~!」と元気な声が響き渡る店内。ここは長野県岡谷市にある「パン遊舎pono‐pono(ポノポノ)」

あ~、焼きたてパンのいい匂い!サクサクっと美味しそうなクロワッサン。

一見普通のパン屋さんのようですが、実は「パン遊舎pono‐pono」は全商品アレルギー対応のパン屋さんなんです。なんと、 製造工程から卵・牛乳・乳製品を一切使っていないのです。店内には、約35~40種類のパンがずらりと並んでいます。

どれもこれも美味しそうです!

「アレルギーに対応したパンって、こんなに種類あるんだね!」それが私の第一印象でした。
だってクリームがたっぷり入ったサクサクのシュークリームまであるんですよ!

パフェパンも大人気です。

店主の大澤さんは、ご自身の息子さんが生後1か月のときに食物アレルギーがあると判明。以来、長年にわたり、アレルギーと向き合う生活をされてきました。

大澤さんも以前は、アレルギー対応のパンを通販で購入していました。届いたパンを家族みんなで食べてみると、とても美味しいと言えない…。ところが、息子さんは「ママ、コレ、美味しいね!!」とひとり喜んで食べたそう。それを見て家族は大変ショックを受け「息子に本当に美味しいものを教えなくちゃダメだ!」とパンを作りを始めたのがきっかけです。

パン教室にも通い腕を磨き、美味しいパン屋があると聞けばどこまでも買い求め、それではおさまらず、惚れ込んだパン屋へ頭を下げて修行に行き、息子のために美味しいパンが焼きたいと、それはもう本当に必死だったそうです。

普通のパン屋さんに行っても、アレルギー対応のパンはほんの1区画に並んでいるだけ。お店で焼きたてのおいしいパンの香りを嗅ぎながら、でも僕が選べるのはここだけ。そんなアレルギーを持つお子さん達にも、トングとトレーを持って、全ての商品の中から自由に選んでほしい!パンを選ぶ喜びと楽しみを味わってほしい!そう願って、6年前にこのお店をオープンされました。

ベビーカーでも入れるようにと、真ん中に大きくスペースを空けた店内。上の段は焼きたてのパンがそのまま並び、下の段はお子さんが手で触れても良いようにひとつひとつ袋詰めされています。お母さんにも子供にも配慮され、安心して選べる細やかな心遣いです。

アレルギー対応のパンってなんだか高いものだと思っていましたが、意外にもリーズナブル。普通のパン屋さんとお値段もほとんど変わりません。本来、原材料からすると多少割高になるのですが、これも「子供たちにお腹いっぱい食べさせてあげたい!」と頑張っているそうです。

長野県内はもとより、隣県や、遠く千葉県からも買い求めに来る方もいるそうです。「千葉県にも大きな夢の国があるけれど、私たち家族にとってはここが夢の国なんです!」とおっしゃって、春・夏・冬の連休には必ず家族でパンを選んで行かれるそうです。

現代では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。 その中でも食物アレルギーは、その大部分は乳児期に発症し、抗原として卵・牛乳・小麦が主要アレルゲンです。9割の人は遅くとも小学校入学時までには自然寛解すると考えられていますが、残りの1割の患者さんの中には一生卵が食べられない・牛乳が飲めないという人もいることは事実です。(厚生労働省資料「食物アレルギー」より)

そんな中、今、幼稚園・保育園・小学校などのクリスマス会や親子会で出される食事やお菓子も、アレルギーを持った子どももみんなと同じものを食べられるように、と考え企画される事も多いようです。昨年のクリスマスに、東北を支援する団体から「どの子供たちも、みんなが食べられるお菓子を送りたい」と依頼があり、子供たちみんなが笑顔になれたら!と思いを込めて3000セットのクッキーを焼き上げたそうです。

店内にはアレルギーを持つ子供たちからのたくさんのお礼のお手紙が飾ってありました。

「初めてお誕生日にケーキが食べられました!」と、感動のビデオレターが届くこともしばしば。本当に感謝されているのだと感じます。全国でアレルギーに悩んでいる子供たちに美味しいパンを届けたい!と、今ではネットでの販売も始め、大好評だそうです。

店内には大澤さんからのこんなメッセージもありました。

同じアレルギーの子供を持つご両親の悩みも理解共有しながら、お客さんと一緒にアレルギーに向き合いパンを焼く彼女の姿がとても印象的でした。

長野県まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの戸谷澄子でした。

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