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こんにちは。
山形県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスター3級
鐙谷貴子(あぶみやたかこ)です。
山形県と秋田県にまたがる鳥海山が中腹まで真っ白になって雲の晴れ間からのぞきました。道路には吹雪防止の雪囲いなどの準備万端で冬に備えている山形です。さて、12月9日はここ山形県酒田市と鶴岡市地域の庄内地方に伝わる伝統行事「大黒様のお歳夜」です。大黒様とは、七福神の中の大黒天で左肩に大きな袋を背負い、右手に打出の小槌を持ち、いかにも福々しい姿を思い浮かべるかもしれません。大黒様のお歳夜とは、大黒様が妻を迎える夜とされる説があり、12月9日の夜には豆にまつわるメニューが並び、そして必ずお供えするものと言えば「まっか大根」という二股に分かれている大根です。
このように2本1組でお供えします。「まっか」といっても赤いというわけではありません!実は「分かれている」という意味を表す言葉なんです。スーパーや産直でも堂々と「まっか大根」として売られているのです!この二股の大根のまっか大根が、何故お供え物になったのでしょうか?
昔、大黒様がお餅が大好きでたくさん食べ過ぎて、お腹が苦しくなりました。道端で大根を洗っていた人に「大根を1本ください」とお願いしたところ、掘り出した大根は数を数えているために譲ることはできないが、このまっか大根(二股の大根)の一方をかき取ってあげたそうです。お陰で腹痛を治すことができてたいそう喜ばれたそうです。このことから、お供えするようになった説や、まっか大根は大黒様のお嫁さまとして見立ててお供えされたとされたという説などあります。そして、豆と大根は畑の作物の代表であり、それをお供えすることで農の神として信仰していたとも言われています。
豆づくしの料理を食べて五穀豊穣と子孫繁栄を願います。
ハタハタという魚には「ぶりこ」という卵が入っていなければなりません。ハタハタを焼いて甘味噌をつけます。豆づくしの料理をつくり食べることは今年一年の無事を感謝して、翌年も豆に元気で暮らせるように願いも込められているとのことです。
大黒様のお歳夜献立
- 黒豆ご飯
- ハタハタの田楽
- 納豆汁
- 焼き豆腐の田楽
- 納豆
他にまっか大根とお神酒です。
「黒豆ごはん」
炊飯器で簡単にできます。
<材料>4、5膳分
- 米・・・2合
- 黒豆・・・30g
- 酒・・大2
- 塩・・小1/2
<作り方>
- 黒豆はあらかじめ6時間以上浸水させておく。
- 米は研いで炊飯器に入れ、①(浸した水も)酒と塩も入れて目盛を合わせてスイッチON!
黒豆もふっくら美味しそうですね。
納豆を温かい味噌汁に入れるの?関西の方にとっては、ビックリかもしれませんが、これが冬になったら食べたくなる汁の一つです。
「納豆汁」
<材料>4人分
- 納豆汁の素・・1パック(納豆・・100g)
- 豆腐・・・150g
- からとりの茎の干したもの (芋がら)・・3本
- なめこ・・・少々
- 出し汁・・・500cc
- せり・・・・適量
- 味噌・・・・大2
(写真右)納豆汁の素。ひき割り納豆よりもさらに細かく納豆をすりつぶしてあるもの、または納豆をすり鉢ですりつぶしてもよい。
(写真左)からとり芋の茎を干したもの
<作り方>
- からとりの茎を水で戻して、幅2mmに切っておく
- 豆腐は5mmさいの目、せりは2cm幅に切っておく。
- 出し汁と1.を入れて加熱する。
- 3.に納豆汁の素を加えて溶かし、味噌、豆腐を加えて加熱を止める。
- 器に盛り付け、せりを乗せる。
ワンポイント:納豆を入れたら煮たてないようにしてください!
「ハタハタの味噌田楽」
日本海側で取れるハタハタはうろこがない魚です。普通はこのように味噌田楽や醤油漬け、一夜干し、お湯で茹でたものにポン酢で食べたりします。
<材料>2人分
- ハタハタ・・・4尾
- ●味噌・・・・大1
- ●砂糖・・・・大2
- ●みりん・・・大1
<作り方>
- ハタハタをグリルで両面焼く
- 耐熱容器などで加熱した●を1.に塗る。
山形県庄内地方の伝統行事の大黒様。若い世代だけの家族ではこの献立が食卓に上がることは少なくなってきています。良き伝統文化をこれからも伝えて行きたいものですね。
これから年末にかけて皆さま体調にお気をつけてお過ごしください。
山形県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスター3級、鐙谷貴子でした。