まつのベジタブルガーデン

佐賀県伝統野菜「桐岡ナス」を美味しく食べる(後編)

まつのベジフルサポーターレポート

佐賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、食育マイスター前田成慧です。

今回は、佐賀県多久市の伝統野菜「桐岡(きりおか)ナス」を使った料理をご紹介します。桐岡ナス生産者の舩山真由美さんについては「大きくてふわふわ!伝統野菜桐岡ナス」の記事をご覧ください。
  
桐岡ナスは普通のナスに比べ、約400~500グラムと大きく、肉質はふかふかで柔らかいという特徴があります。加熱すると一般的なナスとは比べものにならないくらい火の通りが早くてとろっとろっの食感。種も少なく食べやすいので、ナスが苦手な方でも美味しく食べられると評判です。
  桐岡ナス
切ってみると中は真っ白で、アクがあまりなく変色が少ないため、生食向きでもあります。早速スムージーを作りました。
 桐岡ナス
【桐岡ナスのスムージー】
材料
ナス    1/2個
はちみつ  大さじ1
レモン果汁 小さじ1
バニラアイス 100g
牛乳    100cc

作り方
(1)ナスを2~3センチ大に切り、水にさらす
(2)ミキサーにナス、はちみつ、レモン果汁、バニラアイス、牛乳を入れる
(3)ミキサーで撹拌するとできあがり

レシピは、基本の作り方なのでこれにブルーベリーや小松菜などのフルーツや野菜を加え、アレンジしても美味しいスムージーができます。ナスはカリウムが豊富なので、余分な塩分と水分を排泄させてくれます。むくみが気になる方におすすめです。

桐岡ナスを使ったジャムも作りました。
桐岡ナス
【桐岡ナスのジャム】
材料
ナス     600g(2個)
グラニュー糖 300g
レモン果汁  大さじ2

 作り方
(1)ナスの皮をむき、ひと口大に角切りにする(※皮はスムージーに使用しました)
(2)切ったナスを鍋に入れ、グラニュー糖をまぶす
(3)弱火で加熱、水分がでてきたらレモン果汁を加え、果肉に火が通るとできあがり

果肉の食感はブドウのようです。レモン果汁を加えたので、すもものコンポートを思わせる味わいでした。野菜とは思えない仕上がり。このジャムを使っていろいろなお菓子作りもできそうです。

我が家定番のサラダは、ナスが手に入るといつも作るメニュー。
  桐岡ナス
ナスは薄切りにして、オリーブオイルを使ってフライパンで焼きます。青シソドレッシングで頂きますが、めんつゆもピッタリです。材料はタマネギ、ハム、トマト、ナス、大葉、かつお節。ドレッシングをかけた後、数時間冷蔵庫で寝かせておくと野菜から出汁が出てより美味しくいただけます。夏場はしっかり冷やすと涼しげで食が進みます。ミョウガの千切りも加えると、より爽やかな風味になりますよ。

もう一品の定番メニューは、ナスのゴマ醤油和えです。
 桐岡ナス
大きめに切ったナスを片栗粉でコーティングしてから油で焼き、ゴマ、醤油、砂糖の味付けでシンプルに和えるだけの簡単料理ですが、家族は「ナスがいつもと違う!すごく美味しい!とろける!」と絶賛してくれるので、家族のリクエストもあり、夏場は週に1回以上は作ります。ニンニクやねぎ、酢や唐辛子などを入れると味のバリエーションも豊かになります。

味噌田楽もナスの美味しさを引き出す組み合わせですね。
桐岡ナス
とろける食感の桐岡ナスで作るナス味噌田楽は素晴らしい味わいです。口の中でとろ~りと、ナスがなくなります。 私が子どもの頃からの大好きな料理です。

ここで、桐岡ナス生産者の舩山さん直伝のナス料理を3つご紹介。まずはナスを2センチ程の厚切りにし、素焼きした後にかつお節をかけ、ポン酢とマヨネーズで食べるもの。
 桐岡ナス
シンプルですが、ナスの出汁が出てとてもジューシーな味わい。ポン酢でさっぱり、マヨネーズも良く合い、 素材の味が深く味わえる食感がたまらない一品。

こちらはナスのグラタン風。
  桐岡ナス
素焼きした桐岡ナスに生クリームをかけてチーズと粉チーズ、バターをのせて熱するだけ。ナスの食感がクリームグラタンにとても合います。マカロニやご飯を加えるのもおすすめです。

 そして、「桐岡ナスdeピザ風」
桐岡ナス
輪切りにしたナスの大きな丸型を活かして、素焼きにした後にトマトソースとチーズ、ピザの具材(タマネギ、ピーマン、ハムなど)をのせて食べます。簡単で子どもから大人まで大人気のメニュー。

最後にご紹介する料理は、佐賀県や長崎県に伝わる郷土料理『なすびご飯』です。
桐岡ナス
【なすびご飯】
材料
ナス    400g
ご飯    550g
人参    1/2本
(丸)てんぷら 1枚
塩     大さじ1
砂糖    大さじ1
濃口醤油  大さじ1
サラダ油  大さじ1/2

作り方
(1)拍子切りにしたナスを塩もみして絞る
(2)絞ったナスと千切りの人参、短冊切りの天ぷらを油で炒め、砂糖と醤油を加えて炒めます
(3)炊きあがったご飯を(2)にまぜます

一般的なナスを使う場合、塩もみした後に水洗いをするとアクが抜けてナスの色がきれいに出ます。ナスを炒める時にちりめんじゃこや、鶏肉を入れても美味しくできあがります。手軽にできるのに、びっくりする美味しさです。佐賀県に嫁いできて初めて知った料理です。

実は、小学生の頃からナスが大好きでした。なぜナスが一番好きになったのか?今考えると母親の美味しいナス料理にあったのだと思います。「桐岡ナス」はアクが少ないのでどんな調理法でも大変美味しく、 ナスが苦手な方には特におすすめです。油との相性も良いので素焼きをアレンジした食べ方がピッタリです。

素揚げは油を使うので大変かと思われがちですが、フライパンに薄く油を敷くだけでも素揚げはできます(炒め揚げ)。ヘルシーに焼くなら、魚焼き器やオーブントースターを活用したり、キッチンペーパーで少しずつ油を塗るように焼く方法もあります。アレンジ自在のナス料理を食べて、ナスをもっと好きになってもらいたいです。 
   
佐賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、食育マイスター前田成慧でした。

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