こんにちは。
京都府まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエ上級Pro 管理栄養士の中本絵里です。
昨年末、ぐるなび総研より発表された2016年のもっとも日本の世相を反映し象徴とする一皿は「パクチー料理」でした。パクチー料理がブームとなり脇役であった野菜が、料理の主役へと躍進を遂げました。このように、野菜が脇役から主役となる料理が広がることは、日本の野菜不足の改善となるのではないかと期待しています。主役級の活躍を見せるパクチーと同じように長い間、料理の名脇役と地道に皿を彩り続ける【パセリ】もそろそろ主役級の脚光を浴びる時がやってきたのかもしれません!
パクチー料理が今年の一皿に選ばれた理由のひとつに、【健康・美容に良いものを摂取したいという消費者ニーズが増える中、その高い栄養価にも関心が集まった】ことがあげられています。高い栄養価というならば、パセリは、パクチーに比べると非常に栄養価が高い野菜ではないでしょうか。
※残念ながらパクチーの栄養成分値は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)に掲載されていませんので今回は、両者を比較するため、米国の食品成分データを用いて比較しました。
united States Department of Agriculture Agricultural Research Service National Nutrient Database for Standard Reference Release 28 より抜粋
パセリは、パクチーよりも食物繊維量、カルシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンC、ビタミンA,ビタミンKなどの栄養価が高いようです。世の中の女性のニーズに十分と答えることができるはずです。さらに、日本食品標準成分表2015年版(七訂)のデータを用いて、いくつかの野菜と栄養価を比較しても、パセリの栄養価が高いことがわかります。
食物繊維というと、ゴボウなど根菜類を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は、パセリはゴボウより多く含んでいます。さらに、鉄分においては、ほうれん草や小松菜の倍以上の数値です。パセリは、食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄分、βーカロテン、ビタミンCなどが効率よく摂取できる野菜といえます。
しかし、飾りで使われるパセリの重量は1~2gです。少量でも、独特な風味で、塩気の不足を補うことができ、食事の塩分を控えめにすることが可能ですが、これだけ栄養価の高い野菜ですから、飾りとしてだけ使うのはもったいないですね。
是非、もっとパセリのチカラを活かして料理の主役として使いませんか?パセリの「軸」も、栄養素によっては、「葉」より栄養価が高い場合もあるので、軸も残さずに食べましょう。
パセリを食べるレシピ
~ごはんのおとも じゃこパセリ~
フライパンに油をしき、じゃこを炒め、酒と醤油だけでさっと味付けしたじゃこ炒め。
油で炒めると、脂溶性ビタミンの吸収が良くなるだけでなく、パセリの独特の風味や食感が抑えられ食べやすくなります。
~鶏のチーズパセリだんご~
とりミンチに、粉チーズ、山盛りパセリ・少量の塩・こしょうで味付けして素揚げの簡単料理。
塩分が気になる人は、パセリが鶏の臭みを抑えてくれるため粉チーズの塩分だけでも。
~えびパセリオムレツ~
オムレツの中はパセリがたっぷりでも卵の効果でしっとりといただけます。
実際に調理をしてみると、加熱することによってずいぶんと食べやすくなります。
パクチーのようにその魅力が見直され料理の主役となる日が待ち遠しいですね。
参考
ぐるなび総研 今年の一皿ホームページ https://gri.gnavi.co.jp/dishoftheyear/
まつのベジフルサポータージャーナル【岡山県】ここにしかないパクチーで2016年「今年の一皿に」https://www.matuno.co.jp/vegeful/category/journal01/7704.html
United States Department of Agriculture Agricultural Research Service National Nutrient Database for Standard Reference Release 28 https://ndb.nal.usda.gov/ndb/
日本食品標準成分表2015年版(七訂)http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm
京都府まつのベジフルサポーター 野菜ソムリエ上級Pro 管理栄養士の中本絵里でした。