まつのベジタブルガーデン

石川県100年企業の野菜工場!

まつのベジフルサポーターレポート

皆さんこんにちは。
石川県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの本田智世です。
金沢市にあるツダコマ・ゼネラル・サービス株式会社様のベジキララ野菜工場をご紹介いたします。


常務取締役 事業部長の田中利明様にお話を伺いました。
ツダコマ・ゼネラル・サービス株式会社様は1909年創業津田駒工業株式会社様のグループの一員です。

【津田駒工業株式会社】
繊維機械と工作機械・アタッチメントの分野では世界屈指のメーカーです。繊維産業は海外生産も多く、外需の影響が大きく、景気や業績の波が激しい中で国内向けのビジネスを創出できないか模索していました。

【植物工場設立】
以前は法人が農地取得することが難しかったので、施設内でできる農業はないかと2009年から、植物工場でフリルレタス・バジルの栽培を試験的に開始。野菜を作るだけでなく、野菜を工場で作るための装置・機器の開発も手がけるためにはどういうものを作れば良いか。ソフトの開発や品質のノウハウなどが必要になるので自分たちでまず作り始めたのがきっかけだそうです。

2013年に作業の集約・効率化を図るため敷地内に新たな130平方メートルの建屋で本格稼働を開始。50平方メートルにラック4列、8段の棚にベビーリーフをメインにパクチー・フリルレタス・ミニホワイトセロリ。ミニホワイトセロリは田中常務の発案でヒット商品になったそうです。その他に別の棚でアイスプラント・えごま・スイートバジル・ホーリーバジル・蔓と葉っぱを食べる芋蔓・ルッコラ・マスタードそして、石川県ならではの金時草なども育てていいらっしゃいます。


 私の左にいらっしゃる田中利明様にベジキララ植物工場をご案内いただきました。菌や異物が工場内に入らないよう入念に準備します。


白衣を着用、手を濡らして石鹸で洗うペーパーで拭く→アルコールをすりこむ→ドライヤーで乾かす。パウダーレスの手袋をはめ、今度は手袋を洗うために同じことを繰り返します。


次にエアーシャワー。入るとロックがかかり空気が出ます。クルクルッと回ってタイマーが止まると工場側の鍵が開きます。

 「ベビーリーフ」
とても可愛らしく元気に育っています。

1つづつ、2粒まで種を入れます。3粒入れると大きくならず成長が悪くなるので丁寧に心をこめて種まきをされています。こうして入れてあげると素直ないい子が出てくるそうです。

毎日5段4列、20枚を種まきします。

スライドし押しながら入れます。ベビーリーフは約20日間で出荷できます。

  「フリルレタス」
特にこれが1番美味しい!私たちの愛情がいっぱいつまっているのよ。いつも話しかけながら育てていて子育てと一緒よ。田中常務も彼女たちの笑い声で育っているんだよ。とおっしゃっていました。

  「えごま」
ムニエルや焼き魚の下に敷いて食べると最高!お子さんが納豆に包んで食べるのが大好物でチーズやハム、ウインナーを巻いたり、白身魚に包んでフライにしたり、とても使いやすく美味しいと教えていただきました。

  「金時草」
石川県立大学と共同研究し組織培養で育てた親苗を挿し木し、栽培しています。植物工場の金時草は葉が柔らかいので生で食べられます。民間の検査機関で調査していただいた結果、ポリフェノールは露地栽培の倍あったそうです。ポリフェノールは植物が持つ苦みや渋み、色、自らの体を守るために持っている成分でフィトケミカルの1つ、抗酸化作用が期待されているものです。その味、色がベビーリーフのアクセントになっています。

ベジキララの野菜は洗わずに食べられます。と書いてあります。厚生労働省が出している「弁当及びそうざいの衛生規範」には生野菜等の未加熱処理のものは検体1gにつき細菌数(生菌数)が100万以下であること。とありますが、民間の検査機関で調査した結果、ベジキララのお野菜はその1/100~1/1000なので洗わずに食べられます。無農薬で育て、菌も少ないので日持ちがする。安心して食べていただけるように年間を通して衛生検査を行っています。掃除は終わったら水を撒き薬剤はまかないようにしていて、排水溝にだけ虫が湧かないよう錠剤を入れているそうです。

ベビーリーフの菌数も調べています。

水耕栽培用の養液の濃度などは機械で設定した分だけ、水素イオン濃度も自動、水もなくなれば自動注水、水の消費効率が非常に良いそうです。照明はLED、ソーラー発電で環境へのきめ細やかな配慮もなさっています。石川県立大学と共同でレタスの低カリウム、硝酸態窒素を減らす研究もされています。365日温度、湿度管理されていてCO2、炭酸ガスは800~1200ppm、風を送り自然界に近い環境で野菜を育てていらっしゃいます。

  「予冷室」 
今日収穫した物がきれいに並べられています。

  パッケージのデザインもとてもかわいいです。
業務用の物は東京まで出荷されているそうです。

ツダコマ・ゼネラル・サービス株式会社が石川県の補助金で開発した試験装置、研究開発用の水耕栽培装置を使い石川県立大学でほうれん草の研究を生徒さんがされています。部屋そのものが植物工場。光の種類、照射時間も変えられ1つづつ温度、湿度を一日の中で変えられ昼と夜、四季の変化も作ることが出来るそうです。養液も2種類並行して実験でき、北陸は実験するときに冬場はできないこともありますが、この装置なら生徒さんが何度でも栽培実験をすることができるそうです。また、金沢工業大学の応用バイオ学科でのスプラウト用試験装置の開発研究も進められているそうです。

宇宙で実験用にこの栽培装置を使い水耕栽培される日も近いのでは…など夢は広がります。「今、植物工場の野菜が支持され始めてているのには何かあるのではないかな。共稼ぎや核家族が多くなり、手軽に美味しく食べられる。露地物とは別と考え、同じ土俵に立つ必要なく野菜工場は野菜工場の市場を作り、支持される魅力を早く見つけてそっちの方向で舵取りしていければ生き残る方法があるのかな。」ともお話されていました。現在、食の安全や環境保全に取組む農場に与えられ農林水産省が導入を推奨する農業生産工程管理のJGAPの認証を取る為の準備をなさっているそうです。

ベジキララのお野菜を使ってサラダを作ってみました。

生春巻きにもぴったりです。

 従業員の皆さんは、ベジキララのお野菜をワンコイン100円で買うことができます。この装置も自社で作られたものです。

ベジキララの従業員の皆さんは育っていくのを見るのはとても嬉しい!自然の物、生の物なので毎回違い同じ物はなかなかできないがとても楽しい!いろいろ入っていて香りも味わいも楽しめてとても食べやすい。うちのが1番美味しい!嬉しそうにお話して下さるのが印象的でした。うちはチームワークで作っている!愛が大事!とおっしゃっていました。
ベジキララ植物工場はテクノロジーを通じて新しい時代にふさわしいもの作り、人の温かさ、食の安全などで社会貢献している植物工場です。

石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世でした。

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