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今回は私が知る中でも、最もユニークで変わり種の柑橘に会いに佐賀県の富田農園を訪れました。
そもそも仏手柑はインド原産の柑橘で「シトロン」の変種だと言われています。室町時代から江戸時代に日本へ伝わりました。「大和本草」(1709年)には「果物と言い難い」「香りがよい」と記されているそうです。現在、全国でも約2トンの出荷量しかないと言われる希少な品種なんです。富田さんのハウスへ入るとあちらこちらに黄色い手が・・・圧巻です!実際に目の当たりにすると思わず声を上げてしまうほど。
仏手柑は11月から2月の間に出荷時期を迎えます。60本ある木には、それぞれ50個程が実り、1シーズンで約3000個が収穫されています。全国の仏手柑の約3分の1がここにあるんですね。
「この浜玉地区は昔からみかんの栽培が盛んな地区。だけどみんなと同じもんを作っても面白くない、どうせやるなら1番にならんば。だから人と違うもんを作る。」と富田さん。15年前から、みかんの樹に継ぎ木して試行錯誤で栽培を始めたそうです。当時は「何でこんなものを作るんか?」と周囲から不思議がられたそうです。それもそのはず、仏手柑は食べられないのです。
切ってみると中身は真っ白。
収穫分の6割は、観賞用の花材として出荷をされており、(仏様の手という位ですから縁起の良いものとしても人気)JA唐津を通して花市場からの注文に応じたりインターネットでの販売をされています。時にはお寺からの注文もあるそう。
形や大きさ、枝に付く実の数までお客様のご要望に対応されています。「無駄にするのは好かんとです。仏手柑は全て使い切ります。」富田さんが見せてくれたのは
丸い部分を輪切りにした加工品「仏手柑の砂糖漬け」まるで花のような可愛らしい形に仕上がっていました。(こちらは近隣の農産物直売所で購入可能)そしてもうひとつ・・・指にも見える細い部分の油胞から(表皮に見えるつぶつぶの部分)アロマも試作中でした。
手首の内側にほんの少しのせて頂くと濃厚で気高い、キリリとした爽やかな香りがしました。(右側はシナモンアロマの試作品)販売が待ち遠しいです。佐賀で見つけた「仏手柑」はナンバーワンを目指し、オンリーワン作りに取り組む富田さんの希少な柑橘でした!実はこの他にも柑橘の「ジャバラ」「ゲンコウ」といった希少な品種や「黒いちじく」「シナモン」も栽培されており、こちらはまた次回にレポートさせていただきたいと思います。
【富田農園】佐賀県唐津市浜玉町TEL 0955-56-7346