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皆様、こんにちは。和歌山のベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ&チーズプロフェッショナルの井上宣子です。
この時期、ケーキ屋さんに行くと、「いちごフェア」とか「いちご祭り」などをよく見かけますが、赤くて可愛いいちごは白いクリームの上にのると、一層美味しそうで愛おしく見えて、ついつい立ち止まってしまうのは私だけでしょうか?この甘~い豊かな香り、実はいちごはバラ科の植物だったのです。普段私たちが食している部分は実は果実ではなく、花托(めしべの土台となる部分)の発達したもので、表面にあるつぶつぶの一粒一粒が実は果実なのです。甘味があるため、「果物」として親しんでいますが、草本性の植物なので、農林水産省の定義では野菜として分類されています。
日本では昔は野いちごが食用とされていたそうですが、明治頃から入ってきたとされる、オランダいちごが現在はよく食べられています。日本に入ってきてからも、甘い香りとさわやかな甘みと酸味のバランスで多くの人々に愛されて、国内でもたくさんの品種が改良され、現在では約260種類もの品種が登録されています。(農林水産省品種登録一覧2016年)
実は和歌山県は紀の川市や御防市、かつらぎ町等で、いちご栽培がとっても盛んで、いちご狩りができる農園もたくさんあります。そして全国から、世界の色々な国から、多くのファンが押し寄せるおもしろ電車があります。2006年からわかやま電鐵貴志川線に登場したリニューアルデザイン列車「いちご電車」。 特産品であるいちごをモチーフに、白い車体に赤いドアやいちごのロゴマークがアクセントの可愛い電車です。
乗車してみると、中は自然木をふんだんに使ったぬくもりのある仕様になっています。連結部分には棚やテーブルにベンチ、キッチンカウンター等もあって、遊び心が満載です。
至るところにいちご電車のアピールがあり、乗っているだけでもわくわくしますね。
車内の座席には座るのがもったいないくらい可愛いいちごの模様が敷き詰められていて、まさにいちご尽くしです。
このいちご電車は、和歌山電鐵貴志川線のJR和歌山駅~貴志駅までの約30分区間を1日数回往復している他にも、その車中では、「いちご電車でいちご狩り」と名づけて、保育園のお子様たちや、地域高齢者の方が招待されて、電車の中に用意されたいちごのプランターからいちご狩りを楽しむイベントが毎年10年以上も続けて開催されています。和歌山へお越の際は ぜひ、記念にご乗車してみて下さい。(和歌山電鐵株式会社)
このようないちごのPRの他にも、和歌山県では、いちごの栽培や品種開発に力を入れていています。今回は先日品種登録を提出したばかりの、和歌山生まれのブランドいちご「紀の香」をご紹介させて頂きます。
県の農業試験場で平成24年からいちごの新品種の育成に取り組んで、昨年誕生したのか「紀の香」。6通りの品種で交配した9654個体の苗を育成し厳選され、「かおり野」と「こいのか」の交配から生まれた品種で、和歌山県(紀州)で生まれた香りの豊かないちご、なので「紀の香」と名づけられました。
これまで和歌山で普及に取り組んできたブランドいちご「まりひめ」は、果実品質が良いけれども炭そ病に弱くて栽培しにくく、「さちのか」は果実品質は良いけれどもどちらかというと晩生で年内の収穫量が少ない、という課題がありました。この新しい品種「紀の香」は、収穫開始時期が他のいちごよりも早く、11月中旬から収穫ができます。年内の収穫量も他の品種に比べて多く、また、炭そ病に強いという特性があります。
近くにいちごがある、とすぐに分かるくらいの豊かな香り。名前に「香」があるのも納得です。鮮やかな濃い紅色の外観に、カットしてみると優しい白色の中身。お味はさわやかな酸味と十分な甘さで、果肉が比較的しっかりしているため日持ちが良いというのも特徴の一つだそうです。
現在、和歌山県内の約30件の農家で試験栽培中の「紀の香」は今年3月に農林水産省に品種登録を出願し、2018年に3月に品種登録、初出荷は2019年の秋の見通しとなっているそうです。現在、高級いちごとして和歌山を代表する「まりひめ」に続く、和歌山ブランドいちご「紀の香」が市場に出回る日をお楽しみにお待ち下さいませ。
和歌山県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ&チーズプロフェッショナルの井上宣子でした。