みなさま、はじめまして。千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの栗原美由紀です。どうぞよろしくお願い致します。

今回ご紹介させていただくのは、和食・洋食・中華どんなお料理にも取り入れられ、世界で最も食べられていると言われるきのこ「マッシュルーム（和名ツクリタケ）」。国内シェア上位を占め、日本で最も古くからマッシュルームを栽培されている香取市の芳源マッシュルーム株式会社様をお訪ねしました。

芳源マッシュルーム株式会社様は1967年創業、缶詰原材料用としてマッシュルームの栽培を開始。1993年に出荷先を生鮮市場向けに切り替え、規模を拡大し、現在では70棟を超えるプラントでマッシュルームの栽培がおこなわれています。とても広いんです。

世界に比べ日本ではまだまだ消費量が少ないマッシュルーム。でも、食べたら笑顔になること間違いなし！今回はマッシュルームの魅力をお伝えしたいと思います。

きのこの中でもとてもデリケートで栽培が難しいマッシュルーム。細かな温度や湿度の管理、また雑菌や害虫を発生させない環境作りは欠かせません。育て方ひとつで香りや味が変化するとても繊細で正直な食材とも言われてます。薬品を使えば管理は楽ですが、成長したマッシュルームにその臭いがついてしまいます。豊かな香り、そして美味しさと安全性は切り離して考えてはいけないのですね。そのため、農薬や化学肥料を使わず、手間と労力を惜しまず、愛情をもって育てられてるのです。

そんな我が子のように愛されて育つマッシュルーム。ここからはどのように栽培されるのかご紹介します。みなさんはマッシュルームのパッケージの中に黒いものがついていたことはありませんか。これはマッシュルームの栽培に必要な母胎ともいえる土台の黒い部分で「培地」と呼ばれます。マッシュルームの成長に欠かせない栄養分がすべて含まれてますが、何から作られてるかご存知ですか。
正解は馬の敷きわらです。JRAトレーニングセンターから運ばれた馬の敷きわら堆肥を発酵、殺菌、種菌の培養を行い、このような状態になります。成長に欠かせない栄養がすべて含まれる場所なので、水や肥料にもこだわります。ミネラル豊富な地下水を利用し、化学肥料は使わず有機堆肥を使用しています。マッシュルーム栽培先進国であるオランダの培地製造システムを導入したことで、収穫は増加、そして品質も向上したそうです。

それではホワイト種の菌舎をご紹介します。菌舎内は温度が17～18度、湿度が90%、CO2が1500〜2000ppmに管理されてます。扉を開けた瞬間、ふわっとマッシュルームの上品ないい香り。中に入ると、湿度が高い割には爽やかで涼しいくらい。

目の前には5段の長い棚が部屋の奥まで続いています。その棚には培地がのっていて、上にぽつぽつと小さなマッシュルームが顔を出しています。

真っ白でプリッとした可愛い姿に思わずにっこり笑顔。

ひとつぷちっと収穫させていただきました。まさに「ぷちっ」という言葉がぴったりで、その音からも歯ごたえが想像できますね。

採れたてのマッシュルームは、とてもしっかりしていて実が詰まった感じです。収穫は小さなマッシュルームができてから１週間後。マッシュルームの収穫はすべて手作業で行います。熟練の技で素早く収穫しなければなりません。何といっても鮮度が命。手際の良さが重要です。こうしてたくさんのご苦労の中、丁寧に愛情をもって大切に育てられたマッシュルームが、香り豊かで美味しいだけでなく、安心して食べられるように私たちの手元に届くわけです。

ところで、最近、お店で思わず目を疑いたくなるくらいの大きなサイズのマッシュルームを見かけたことがありませんか。こちらはジャンボマッシュルーム。傘の大きさが10センチ前後のものです。通常のものと比べると軸の太さがこんなに違います。

通常のサイズでは味わえない歯ごたえと芳醇な香り、そして濃厚な味を楽しめるそうです。食べごたえがありそうですね。

そして、さらに大きいマッシュルームがあります。最近テレビや雑誌でも見かける直径13センチ以上もあるギガマッシュルームをご存知ですか。100個のうち1個くらいの割合というとても希少価値の高い商品です。残念ながら今回は発見できませんでしたが、最初からぽつんと目立っているものらしいです。無理やり成長させたものではなくて、たまたま大きく育ったものだそうです。

もしかしたらこちらもギガマッシュルームの候補かもしれませんね！

今回はマッシュルームの栽培工程についてレポートさせていただきました。芳源マッシュルーム株式会社様の詳細はこちらをご覧ください→http://www.ymush.co.jp/

引き続き【後編】では意外と知られていないマッシュルームの美味しい食べ方をお届けします。千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの栗原美由紀でした。