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香川県のまつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエ・メンタルフードマイスター2級川村章子です。
もうすぐ10月。過ごしやすい気候になりましたが、季節の変わり目のこの時期は体調を崩しやすく、バランスの取れた食事と睡眠がとても大切。ビタミンやミネラルが豊富な野菜は、カラフルで心も元気にしてくれますね。ぜひ、旬の野菜を楽しみながら、日々の健康に気をつけてほしいです。
さて、今回はかぼちゃのお話。
夏に栽培・収穫されるかぼちゃは、しばらく置くことで、甘みと栄養価が増して、おいしくなります。これから夏の日差しをいっぱい浴びたかぼちゃの食べ頃です。
「かぼちゃ」名前の由来はなんと「カンボジア」国名でした!16世紀末にポルトガル船によって九州へ渡った「カンボジアの瓜」(日本かぼちゃ)がなまって伝わり「かぼちゃ」になったとか。
一部の地域で「ボウブラ」と呼ばれるのは、ポルトガル語で「ウリ類」を意味する「アボボラ」に由来します。また、「南瓜」は中国語からで、いろいろな呼び名がありますね。ちなみに本来「pumpkin」は皮がオレンジのものを示し、皮が緑のカボチャは「squash」が一般的なようです。
原産地は諸説ありますが、中南米、メキシコの洞窟。紀元前6000年前後の地層から種がみつかっています。15世紀末にコロンブスがアメリカからヨーロッパへ伝えた野菜のひとつです。当時のかぼちゃ(日本かぼちゃ)は甘みがなく、固くて果肉が少なかったので、種を食し、器として重宝されていたとか。
日本かぼちゃで宮崎の伝統野菜の「日向」は皮が黒く、京の伝統野菜の「鹿ケ谷」は、褐色を帯びたゴツゴツのひょうたん型。どちらも溝が深く、ねっとりしていて甘みが少なく、和食向きです。
一方、西洋かぼちゃはアンデス山脈の高原乾燥地帯が原産。19世紀に伝わりますが普及せず、明治初期に
再渡来し、北海道で広まりました。現在、北海道が堂々の国内第一位で、全体の半分の生産量を誇ります。日本かぼちゃに比べ、水分が少なくて甘みが強く、粉質でほくほくした味わい。調理法も豊富です。
また、ユニークな形の多いペポかぼちゃの仲間には、バターナッツ、そうめん瓜、コリンキー、ズッキーニなどあります。
写真左(オレンジ)のコリンキーは生でも食べられるかぼちゃです。固めのメロンのような香りと食感。サラダに、炒め物に、調理法は色々!
写真中央(縞模様)のそうめん瓜は、中が麺状で、ゆでてほぐし、麺や春雨の代わりに使えます。
写真右(ベージュ)のバターナッツは、スープにぴったりです。炒め物にも◎。
こちらは、ズッキーニ。
葉っぱが大きくて、迫力がありますね!黄色くて小さいプッチーニや、ボウリングのピンのような形の万次郎は西洋とペポの掛け合わせです。どちらの長所も持ち合わせたかぼちゃでおいしさも楽しさも広がりますよ。
こんなに広いハウスで伸び伸び育ってます。
かぼちゃは、「冬至に食べると病気にならない」といわれるほど栄養価が高い野菜です。かぼちゃに含まれるカロテンが粘膜や皮膚の抵抗力を強くします。抗酸化作用のあるビタミンEや、疲労回復によいビタミンB2,利尿作用のあるカリウムなどミネラルも豊富。美肌効果、冷え性改善、風邪予防、がん予防、夏バテ防止、食欲増進、視力低下防止などが期待できます。栄養成分豊富なかぼちゃは頼もしく、また魅力あふれる野菜ですね。
種子に含まれるリノール酸やオレイン酸には動脈硬化の予防も期待でき、ミネラルやたんぱく質を豊富に含むので低血圧や貧血にも効果があります。普段捨ててしまう種を空炒りした後、中身を取り出して、緑の部分を炒ってみてはいかがでしょうか?
主に西洋かぼちゃを選ぶ際は表皮がゴツゴツしていて、ずっしりと重量感のあるもので、ヘタがコルク化しているものを丸のままで、中が見えない時は、皮のどこかに見えるオレンジ色の部分を見てみましょう。その色と中の果肉の色は、ほぼ同じといわれます。オレンジ色が濃いと、カロテンの量も多く、栄養価も高いのでオススメです。カットしたかぼちゃを選ぶ際は色が濃く、種が丸々しているものを保存する時は傷みやすい種とワタを取り除き、ラップをして冷蔵庫へ。丸ごと保存するなら、風通しが良いところで、1〜2ヶ月保存が可能です。カットしたものは冷凍保存も可。
カボチャは和食にも洋食にもぴったりで食卓を飾ってくれます。
スープや煮物はもちろん、
舞茸とベーコンのニョッキ。
かぼちゃあんで和菓子にも。
また、10月31日はハロウィンの日。坊ちゃんかぼちゃでグラタン 。
もともとは、カブだったのがカボチャで作るのが一般的になった「ジャックオーランタン」を 作ってみても面白いですね。カボチャはハロウィンに欠かせないため、怖い顔が定着してしまっていますが、シンデレラではカボチャは素敵な馬車そんなメルヘンな世界を想像するのもまた良いですね。
今月25日、小豆島で「第30回日本一どでカボチャ大会」が行われました。日本一に輝いたのは、千葉県産の462.2kg!まるでオブジェ!世界大会でもきっといい成績になるでしょうね。
時期や地方によって、いろいろなかぼちゃに出会えます。普段使わないような珍しいかぼちゃにもぜひチャレンジしてみてください
香川県のまつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエ・メンタルフードマイスター2級
川村章子でした。
(参考文献)
野菜ソムリエ協会テキスト「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店)など