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こんにちは。鳥取県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエ上級プロ アスリートフードマイスター2級 長島明子です。
皆さんは乾シイタケをよく料理に使われますか?
調べてみると、乾シイタケの消費量は下降傾向で推移しており(林野庁HPより)、1世帯あたりの年間消費量は昭和50年をピークに、現在では5分の1まで減少しています。(日本産原木乾しいたけをすすめる会HPより)
「きのこ王国」を目指している鳥取県ですが、乾シイタケの消費量は全国最下位。1人当たり年間たったの1.6個しか乾シイタケを食べていないそうです。(干ししいたけの平成27年消費量の都道府県ランキングより)
「戻す」という手間がかかることが、消費の減少の理由のひとつかもしれません。しかし、乾シイタケは保存性が高く、うまみも多く、使わないのはもったいない食材です。
シイタケの魅力をお聞きするため、シイタケ生産者の大家(おおいえ)繁博さんを訪ねました。大家さんは、林業を営んでおり、原木シイタケ栽培歴35年、鳥取県椎茸生産組合連合会会長も務められた方です。
お邪魔したのは、鳥取市用瀬町安蔵のハウス。こちらに2棟のハウスがあり、他に用瀬町江波と河原町にハウスが1棟ずつ、山にあるほだ場とあわせて5ヶ所で約2万本のほだ木を管理されています。
全国のニュースでも取り上げられましたが、今冬、鳥取県は記録的な大雪に見舞われました。用瀬町は県内でも雪の多い地域のひとつ。2月の積雪量は、用瀬町安蔵で例年70~80cm、江波では1m30cmほどになります。雨や雪が多く湿潤で、シイタケにとって刺激となる寒さの用瀬の気候はシイタケ栽培に適しています。
栽培されている品種は、菌興115号、高温性品種の697号、中低温性の240号の3種類。今の時期は低温性品種の115号の収穫期で、ハウスの中に並んだほだ木から立派なシイタケ115号が出ていました。
原木栽培の作業は、山から伐採した木にシイタケの菌を植え付ける「植菌」を12月~3月におこないます。植え付ける菌には2種類あり、樹皮が厚く、シイタケが芽を出しにくい原木には形成菌という種類の菌を、樹皮が薄く、細い原木には駒菌という菌を植え付けます。大家さんは毎年5000本に植菌し、新しいほだ木を作ります。
ところどころ白く見えているのが形成菌を植菌したところ。
わかりにくいですが、ところどころ茶色く見えているのが駒菌です。
形成菌を植え付けたほだ木からは一夏を過ぎた秋から、駒菌は二夏を経過した秋からシイタケが発生し、4~5年収穫することができます。収穫1年目のほだ木には、大きなシイタケができ、特においしいそうです。
大家さんは、年間3000kg以上のシイタケを生産されていますが、生シイタケと乾シイタケの出荷の割合は半分ずつ。春先などシイタケが集中発生するときは乾燥させて、乾シイタケで出荷することが多いそうです。
「原木栽培はおもしろい。手間をかけてでも良いものを作りたい」と仰る大家さん、別れ際に「林業で原木となる広葉樹を育て、きのこ作りで山村を活性化し、地方創生したい」と熱く目標を語ってくださいました。
今回は、シイタケの生産現場をレポートしました。引き続き【後編】で、乾シイタケの使いこなし術をお届けします。
鳥取県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエ上級プロ アスリートフードマイスター2級の 長島明子でした。