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大阪府のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(まんののりこ)です。
いつの時代も重要視される食の安全と安心。これを揺るがす事件や事故が起きる度に法改正や省庁の再編など再発防止および未然防止のための対策が行われてきました。国や各都道府県で取り組まれている食の安全と安心に関する政策。今回は昔から「食の都」と呼ばれ独自の食文化を築いてきた大阪府の食の安全と安心に関する取り組みと今後の展望についてレポートさせて頂きます。
大阪府では府民の健康を守るため食品関連事業者や府民の方々等と共に協力し食の安全安心の確保に取り組むことを目指して2007年3月に「大阪府食の安全安心推進条例」が制定されました。その条例に基づき、府における食の安全安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に進めるために2008年3月には5カ年計画として「大阪府食の安全安心推進計画」が策定されました。
2013年3月には推進計画が改定され生産から消費までの各段階における食の安全・安心の確保に関する施策が着実に推進されてきました。今年度は第2期計画に基づき取り組んできた施策の成果や食を取り巻く現状と課題を整理し、社会情勢の変化に伴う新たな課題を踏まえ食の安全安心の確保に関する施策をより一層推進するため推進計画が改定される節目の年となっています。
また大阪府の食の安全安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に進めるために、知事の附属機関として食の安全安心の確保についての重要事項を調査審議する「大阪府食の安全安心推進協議会」が設置されており、今年度より松井一郎大阪府知事の委嘱を受け2年間公募委員をつとめさせて頂くこととなりました。
大阪府の食の安全安心に関する施策は大きく4つ掲げられています。
1.生産から消費に至る各段階での食の安全性の確保
2.健康被害の未然防止や拡大防止に関する施策の充実
3.情報の提供の促進
4.事業者の自主的な取り組み促進
これら4つの府の施策の柱にはさらに細かな推進事項と個別の取組事業が掲げられており、目に見える数値目標や施策内容がわかりやすく表にまとめられています。
生産から消費に至る各段階での食の安全性の確保では、トレーサビリティやサーベイランスを徹底することなどが重要視されています。健康被害の未然防止や拡大防止に関する施策の充実や情報の提供の促進の取組としては、定期的に大阪府が主催する食の安全安心シンポジウムが開催されています。
また購読無料の食の安全安心メールマガジンも配信されており登録者を募集しています。
事業者の自主的な取り組み促進については、大阪府版の食の安全安心認証制度を導入しています。食の安全安心推進に積極的に取り組んでいる飲食店や食品製造施設、販売店を認証する制度で認証書の交付や認証マークのこころちゃんの使用が許可されます。
大阪府下で3番目、業界初で大阪府食の安全安心施設に認証された有限会社三好商店の三好岩雄社長にお話をお伺いしてきました。
創業37年の(有)三好商店・河内庵さんは国産大豆にこだわった手作り豆腐を製造・販売している会社です。安全で安心な美味しい豆腐を製造・販売することをモットーにされている三好社長。
世界的に優良な衛生管理基準と言われるHACCP(ハサップ)にも対応する豆腐ギャラリーを2005年にオープンされました。
大阪府食の安全安心推進条例が制定されたのが2007年3月ですから三好社長の食の安全安心に関する意識の高さは目を見張るものがあります。
また、そのこだわりの豆腐やおから煎餅は伊勢神宮の外宮神楽殿にも奉納されたことがある逸品。注文を受け全国発送にも対応されています。
昔ながらの豆腐の移動販売を展開されており、移動トラックには大阪府食の安全安心認証マークのこころちゃんがしっかり表示されています。消費者から見えにくく評価されにくい自主的な衛生管理への取組に対する努力の証である認証マーク。
この認証マーク、残念なことにまだまだ認知度が低く認証施設数を増加させることが大きな目標となっています。認証マークの認知度が上がることで、社会的信頼が得られるというメリットから事業者の自主的な取組も促進されるはずです。
全国的にも2018年をめどに飲食店など全ての食品事業者に国際標準であるHACCP導入を義務化する方針が決定しています。大阪の食文化をPRしていくうえでも飲食店などの食の安全性の確保はとても重要です。
一府民としてまた大阪府食の安全安心推進協議会委員としてリスクコミュニケーション等へ積極的に参加し食の安全安心の確保に関する知識と理解をより一層深めてまいります。
そして府民一人ひとりがそれぞれの立場でできることを考え、パブリックコメントなどの意見募集の機会を活用し食の安全安心に関する意識を高めることで大阪府の食の安全安心への取組が充実し促進されることを願います。
大阪府のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(まんののりこ)でした。
※参考資料 大阪府食の安全安心推進計画
※大阪府食の安全安心推進協議会の内容・委員名簿は府のHPで全公開されております