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沖縄県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの齋藤珠美です。
一粒ずつ手摘みした真っ赤なコーヒーの実、いよいよ焙煎です。まず、水洗いした赤い実から中の豆を取り出します。皮をむくと豆がつるっと出てきますが、これが意外と手間がかかる作業です。赤い皮は煮詰めてジャムにしたり、乾燥させてお茶として飲むこともできます(カスカラティーと呼ばれています)。
丁寧に皮をむいた豆はヌメリの膜を取るため、ネットに入れて水洗いをした後、水分を拭き取り、精米機を使って薄皮をむきます。
次に、豆をザルに入れてガスコンロで焦がさないようゆすりながら加熱し、余分な水分をとばします。パチパチと音がして豆の色が変わってきたら専用の焙煎機に入れ替えて焙煎します(フライパンでも焙煎はできます)。
しばらく加熱すると、香ばしいナッツのような香りに、「あぁいい香り!」歓声が上がります。約15分焼きムラができないよう振り続け、煙がでてきたらもうすぐ完成です。
焙煎の時間が短めだと酸味のある浅煎り、長く煎ると苦味のある深煎りになります。
ここまでくるとやっと見慣れたコーヒー豆に仕上がりました。この焙煎の仕方によって味や香りに違いができ、まろやかだったり、深みがあったり、酸味や苦味、甘味などの風味が変わります。
ミルを使って豆を挽き、カップ1杯の実からできた粉は13~15グラムほど。
湯の量は粉の16倍が適量とのこと。私の粉は13グラムだったので約200グラムの湯を使います。コーヒー本来の風味と深い味わいが楽しめるフレンチプレスに注ぎ、待つこと4分。最後は蓋をゆっくり下ろして。
待ちに待った一杯のコーヒーができあがりました。この一杯を味わうのに、これほどの労力と時間がかかるなんて!まさに至福の一杯。それぞれのコーヒーを試飲してみると、「フレッシュな香りにすっきりした酸味」「ナッツの香りにまろやかな風味」「深いコクとあとからくるほのかな甘味」と、それぞれ個性があっておもしろい!その風味の違いに驚きました。
栽培、焙煎、抽出するまでの一連の工程は、どこかで手を抜いしまうと仕上がりに差がでてしまいます。全ての工程は味を左右する大切なものだとしみじみ思いながら、このコーヒーをいただきました。農作業の生産効率や人件費などを考えると、まだ豆を販売するまでに至っていませんが、沖縄でコーヒーを栽培する農家さんは増えているといいます。
五感で体感する産地での体験は、その風景とともにおいしさを味わえる醍醐味があります。自ら一粒一粒手摘みして焙煎したコーヒーはなんともいえない贅沢な一杯でした。やんばるの美味しい感動体験をぜひ!!
沖縄県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの齋藤珠美でした。