- 03-5753-3728 受付時間 10:00~17:00
福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代です。
前編に引き続き越前打刃物のお話をします。後編は「タケフナイフビレッジ協同組合」をご紹介します。江戸中期には、全国一の生産量を誇っていた越前打刃物も近年では出荷量が随分と減ってしまいました。打刃物業者さんが段々と減り、危機を感じた職人さんたちが、昭和54年に伝統工芸品の指定を受けたことから共同組合を設立しました。現在では、ナイフビレッジ内で9名の伝統工芸士と22名の若手後継者の方たちが日夜、鍛造や研ぎなどの作業をされています。
【鍛造】
【研ぎ】
工房内では、見学デッキから、作業の様子を見学することが出来ます。また包丁ができるまでの工程や様々な種類の打ち刃物が展示されています。実は、包丁は料理のためだけのものではありません
キャベツや白菜など、大量に収穫される農家さんのために作られた野菜収穫専用の包丁があります。
ナイフビレッジに工房を構えられている加茂刃物製作所の二代目加茂勝康さんに収穫包丁を見せていただきました。加茂さんは伝統工芸士でもあります。
こちらの収穫包丁は信州菅平の野菜作りの専門家中村堯春さんと加茂さんとの共同開発で作られました。赤い柄は、カモレッドと呼ばれ、畑の中での紛失や踏みつけ防止のために色付けされています。刃材は、用途に合わせた高品位な鋼を使い、錆びにくく、火づくり鍛造手打ち仕上げのため、切れ味が長く続きます。キャベツやレタス包丁は、刃先の方でキャベツの芯を押し切りすることで、素早く収穫することが出来、農家さんの負担の軽減になっています。
愛知県のまつのベジフルサポーター中神ルミ子さんに、実際に収穫包丁を使ってブロッコリーを収穫されている写真を送っていただきました。
こちらに紹介したほかにも様々な収穫包丁があります。それは、農家さんの要望に合わせた形のものを加茂さんがオーダーメイドで作られているうちに、どんどん種類が増えていったそうです。加茂さんは、メンテナンスのために、長野や愛知などの産地にもわざわざ赴かれるそうです。日本の農業を支えている越前打刃物、とても嬉しいです。
この他にも、タケフナイフビレッジでは、鎌やナイフなど様々な刃物が展示、販売されています。また、包丁やナイフを実際に作ったり、研いだりといったことを学べる体験工房もあり教室が開催されています。(要予約)
福井県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代でした。