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佐賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、食育マイスター前田成慧です。
前編に続き、佐賀県嬉野市で「うれしの茶」の製造・販売をしている相川製茶舗をご紹介します。
嬉野町はなだらかな山間地。昼夜の温度差があり霧深いことや日照量がお茶の栽培に向いているそう。「うれしの茶」は仕上がりの形状が「グリグリ」とよれているのが特徴的な「ぐり茶」。これは他の煎茶にはない形状です。うれしの茶の独特な味わいに惹かれ、愛用されている方も多いです。
「うれしの茶」とは、佐賀県または長崎県においてつくられた茶葉100%を原料として仕上げたお茶で、50%以上100%未満使われたものを「うれしの茶ブレンド」とすることが2002年に定められました。
(写真は昨年の収穫風景・相川製茶舗提供)
緑茶は「不発酵茶」と呼ばれます。茶葉に含まれる酵素の働きを蒸したり、炒ったり熱を加えることで葉の酸化を止めて(殺青)つくります。茶葉が発酵していないため、煎じた色は緑色のものが多いです。
茶色の色が特徴のウーロン茶や紅茶は、茶葉の中の酵素の働きを促し、発酵させてつくります。ウーロン茶は、短時間生葉をしおれさせて茶葉の中の酸化を途中で殺青するので、「半発酵茶」といいます。濃い赤褐色の紅茶は摘みとった茶葉を乾燥させて揉み込み、完全に発酵させるため「発酵茶」といいます。
緑茶、ウーロン茶、紅茶は全てツバキ科のチャノキ(学名カメリアシネンシス)から作られています。チャノキは大きく2つに分けられ、中国種(寒さに強く葉が小さい)が緑茶やウーロン茶に向き、アッサム種(寒さに弱く葉が大きく大木となる)が紅茶に向いています。
相川製茶舗では「うれしの紅茶」を製造しています。嬉野産の緑茶品種のチャノキの茶葉を完全発酵させてつくり、渋みの少ない日本人好みの優しい味わいに仕上がっているそう。「うれしの紅茶」は四代目茶師・相川源太郎さんが、1994年に研修で訪れた中国・雲南省の紅茶に感激し、つくり始めたとのこと。
様々な暮らしのシーンに合わせ、型にはまらない遊び心のある商品は相川源太郎さんの自信作。フレーバーティーは香料や添加物を使用せず、自然の素材とうれしの茶葉をオリジナルの配合でブレンドしたもの。ジャスミン釜茶、しょうが紅茶、ミントほうじ茶、ゆず番茶、ゆず紅茶、ゆずとうがらし茶、りんご紅茶、ガーリック番茶、にんにくしょうが紅茶など、バラエティーに富んでいます。
佐賀県産のいちごを使った「いちご紅茶」や武雄市のパクチーを使った「パクチー紅茶」&「パクチー緑茶」などもあります。地域の特産物を最大限に活用しています。
特に気になったのは、「パンにあうお茶」や「ケーキのお茶」です。「パンにあうお茶」は、紅茶・ほうじ茶・緑茶のブレンドでつくられており、「ケーキのお茶」はまろやかな紅茶とほどよい渋みのある抹茶のブレンド。この配合にいきつくまで、苦難の道のりだったそうです。
嬉野産茶葉をまるごと使った「粉末緑茶」という商品も開発しており、自宅で緑茶味のシフォンケーキを焼いてみました。抹茶とは異なる風味で、茶葉の恵みをまるごといただける粉末は味わい深いです。粉末緑茶はティースプーンに軽く1杯コップに入れ、湯や水を入れかき混ぜるだけで飲めるお茶。うれしの茶を石臼でじっくりひいてつくっています。
「グッドモーニング玄米茶」というネーミングのブレンドは、我が家の朝食に欠かせない愛用茶。ティーバッグなので忙しい朝にぴったりですし、香ばしい玄米の香りにいつも癒されています。
ところで、相川製茶舗にはお洒落なカフェ「喫茶室 茶太郎」があり、ゆっくりと和めるスペースになっています。
茶器も販売しており、「若い方にもっとお茶を飲んでほしい」と、お茶のある暮らしの愉しみ方を提案しています。
テイクアウトもできるので、お近くにお寄りの際はぜひお立ち寄りください。お気に入りのお茶に出会えるでしょう。
お茶の美味しさは茶葉の品質にもよりますが、水質や湯温、茶葉を浸しておく時間など、淹れ方によってもずいぶんと味や香りが変化します。玉露は50~60度で2分強、番茶は熱湯で30秒もしくは水出しがおすすめ。うれしの茶の釜炒り茶は熱湯で1分、蒸し製玉緑茶は90度の湯で30秒、サッと抽出して注げるのと、二煎、三煎も湯を入れて楽しめます。ぜひ日常生活の中でもっと日本茶の文化を楽しんでみませんか。
佐賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、食育マイスターの前田成慧でした。