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皆さまこんにちは
石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世です。
ずんぐりとした愛らしい形
長さ約22~25㎝、太さ8~10㎝くらい
白くすべすべした綺麗な肌、生のまま食べるとシャキシャキとした 歯ざわりが心地よくほんのり甘みが口に広がります。
きめが細かく柔らかいという特徴がありながら、煮崩れしにくいため味が染みやすくとろけるような大根。
「金沢おでん」や「ぶり大根」など冬の金沢にかかせない加賀野菜の1つ『源助だいこん』をご紹介させていただきます。
加賀野菜とは…
昭和20年以前から栽培され今も金沢近郊で栽培されている
伝統野菜で現在15品目認定されています。
源助だいこんは金沢市打木町生まれの篤農家 松本佐一郎(1907-1986)さんのたぐいまれなる努力によって生まれ育てられてきました。
研究や改良を重ね、地元特産品として村の人々と共に完成させた大根です。
他にも会津赤皮南瓜から「打木赤皮甘栗かぼちゃ」 金沢のつるまめから「マツモトツルマメ」など 系統選抜法によって砂地に適した作物を品種改良していった功績から 「砂丘農業の父」と崇敬されています。
「愛知県の井上源助さんが作った 宮重系のゲンスケダイコン」が 柔らかくて味がいいという評判を聞き、本人を訪ねて種をわけてもらいました。
でも、愛知は山土、打木は砂地で、気候も大きく違います。
源助の特徴をもちながら砂地に合う美味しい大根を作りたいと、 もともと安原地区にあった練馬系の大根と自然交配を繰り返し、系統選抜法 によって昭和7年から10年かけてやっと固定種として世に送り出しました。
寒冷紗をかぶせ、よその花粉が飛んでこないよう工夫したり、野大根の花粉が 混ざらないように野大根を抜くのは子供たちの仕事でした。
村全体で協力し打木源助だいこんを作り上げました。
砂地栽培の良い所は水はけが良いこと。
水分をコントロールしやすく、地温がさがりにくく、肥料の与え方が わかりやすいこと!水やりは地下100mから汲み上げた白山連峰の 美味しい伏流水をスプリンクラーで散水しています。
源助だいこんは水分量が多く割れやすいため、少しでも爪があたっただけで 皮が破れたり、在来種なので形や大きさも揃いにくい。空洞やスが入りやすいの空洞やスが入りやすいので収穫期を見極める事も大切だそうです!
その栽培の難しさから、昭和50年ごろには収量の多い形が長く栽培しやすく耐久性の強い青首大根に押されるようになり平成8年には栽培面積もわずか10a
6,000本くらいまでに落ち込み一時は源助だいこんの生産者が 松本さん1軒だけになり、消滅の危機にさらされるまでになっていましたが
平成9年に加賀野菜としてブランド化され、金沢市農産物ブランド協会の 後押しと源助だいこんの美味しさが評価され、徐々に生産者も 栽培面積も増えてきたそうです。
現在は生産者20名、栽培面積は4.3ha 年間総出荷量は2万2千ケースにも。
認知度も上がってきたため、流通は地元と京阪神だけでしたが、 北陸新幹線の開業効果で関東への出荷も増えてきているそうです。
8月20日頃から9月3日~5日頃に種をまくものは露地栽培。
2週間後に間引きし、収穫までおおむね60日。
出荷は10月20日から11月20日頃までの1ヶ月ほど。
9月6日頃から10月5日頃までに種をまくものはハウス栽培で2月上旬まで。
9月以降に種をまくものは収穫まで65日から70日ほどかかるそうです。
肥料を与える時期や回数、タイミングなど、大根の状態を見ながら 管理されているそうです。
他の場所や土でも育てることはできますが、受け継がれた味や品質は ここでしかできない!
そんな誇りとこだわりをもって源助だいこんを育てていらっしゃいます。
源助だいこんの種は、種専用の圃場で他のものと交雑しないよう
金沢市・農協・生産者で良いものを選んで採っているそうです。
1年寝かせた方が中身が充実するので、より良いものを作るため 皆で協力し、産地全体で良いものを残せるよう大事に育てています。
佐一郎さんの時代から打木町で受け継がれている心そのものですね!
夏には源助だいこんの葉っぱを使った菜飯のおにぎりも販売されていました。
源助だいこんのうま味を生かした 焼き肉のたれ
本格焼酎「源助だいこん」源助だいこんの上品な辛みが香ります。
ラベル字は山野之義金沢市長の書。
「ぶり大根」
この時期に轟く雷を北陸では「鰤おこし」といい本格的な冬の訪れをを表し
寒鰤の美味しい季節です。
「金沢おでん」
とろけるような源助だいこんはもちろんですが、香箱がにのかに面。
バイ貝や車麩も特徴ですね。
冬の北陸もいいですよ~
ぜひ多くの皆さんに「源助だいこん」を召し上がっていただきたいです。
石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世でした。