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兵庫県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエの河内郁子です。
10月初め、少し秋めいてきた丹波篠山を訪れました。丹波篠山は周囲を山に囲まれた盆地で夏は蒸し暑く、冬は厳しい底冷えの寒さ昼夜の寒暖差が大きい特徴があります。また粘土質の肥沃な土壌を持つことから、全国的にも知られる「丹波ブランド」と呼ばれるさまざまな農産物が作られています。
今回ご紹介するのは、今まさに旬を迎えた「丹波黒大豆の枝豆」です。「丹波黒大豆枝豆」は黒豆の最高級品とされる丹波黒大豆の若さやを枝豆として食べるもので、粒が大きく、甘味が強く、もっちりとした食感が特徴。栽培の歴史は古く、江戸時代の文献の中に篠山藩の土産としての記載があり、江戸初期頃から栽培され、丹波(当時丹波国)の名物だったようです。
歴史ある丹波黒大豆枝豆を微生物を培養したこだわりの土作りで生産されている「あかね農園」の細川泰貴さんの畑を見学させていただきました。
一面に広がる黒大豆枝豆の畑は圧巻です。年間1.5トン程の収穫量があるとのことでした。丹波篠山黒大豆枝豆は10月5日が出荷解禁日。その少し前の畑の見学でしたが、畑に入り覗いてみると、びっしりと茶色の毛をまとった黒大豆枝豆を発見!
黒大豆枝豆は茶色の毛と黒い斑点が特徴。黒い斑点は美味しさのバロメーターで、日を追うごとに増えていき、甘味、コクが増していきます。「決して虫食いなどではないんですよ!!」と細川さん。たまに黒い斑点でクレームをいただくこともあるそうです。充分な実の膨らみと思っていましたが、これからまだまだ大きくはち切れんばかりになり、今の2~3倍になるそうです。
もう一つの特徴は丈が他の枝豆よりも高いこと。6月から収穫までの間に倒れないように、3回しっかりとした土寄せをするそうです。
整然と植えられた丹波黒大豆枝豆、昔は田んぼの畦に植えられており「あぜ豆」といわれていたと教えていただきました。解禁日を過ぎ、日を追うごとに黒枝豆も成熟していきます。「丹波篠山の特徴である昼夜の寒暖差、栄養豊富な粘土質の土壌、そして10月に入ると、丹波篠山は深い霧(丹波霧)に覆われることが多くなり、コクとうま味が最高の丹波黒大豆枝豆ができるんですよ」と細川さんはおっしゃっていました。
収穫したい気持ちを抑えて、後日送っていただくことに。届きました!「丹波黒大豆枝豆」
黒大豆枝豆は収穫してから水分を与えることが必要で、収穫してすぐに水に浸け鮮度を保ってから出荷されるそうです。美味しそうな黒大豆枝豆!
莢を開くと丸々と膨らんだ実がでてきました。莢の実はまだ緑ですが、少し置くと薄紫色に変わっていきます。早速いろいろとお料理を致しました。
まずはシンプルに黒大豆枝豆の味を塩茹でで堪能。ほっくりとした食感と甘味が最高です。
黒大豆枝豆ごはん
一緒に炊き込むことでごはんにも黒大豆枝豆の味と香りが移り、美味しさ倍増!
一緒に炊き込むことでごはんにも黒大豆枝豆の味と香りが移り、美味しさ倍増!
黒大豆枝豆おこわのおいなりさん
味のしみ込んだ揚げの味に負けることない存在感!
味のしみ込んだ揚げの味に負けることない存在感!
油との相性も良くほっくりとした食感はそのまま。
黒大豆枝豆の共和え
合わせ衣もすべて黒大豆枝豆!茹でた黒大豆枝豆をすり鉢等ですりつぶし、薄口しょうゆ、みりん、出汁で味付けしたところに黒大豆枝豆を入れた和え物。存分に黒大豆枝豆を味わえます。
黒大豆枝豆と柿の胡麻みそ和え
柿の甘さと黒大豆枝豆のコクのある味わいがマッチ
黒大豆枝豆入りひりょうず(がんもどき)
木綿豆腐を水切りし、茹でたきくらげやひじき、人参、すり下ろした長芋、茹でた黒大豆枝豆を入れ、揚げた手作りひりょうずもワンランク上の味の仕上がりに。
木綿豆腐を水切りし、茹でたきくらげやひじき、人参、すり下ろした長芋、茹でた黒大豆枝豆を入れ、揚げた手作りひりょうずもワンランク上の味の仕上がりに。
鍋に出汁、みりん、薄口しょうゆを入れ火にかけて煮立ってきたら溶いた卵を回しいれて、木べらなどで半熟状態にします。そこに茹でた人参、黒大豆枝豆刻んだ椎茸をいれ、ほうらく(焙烙)と言われる器に入れてオーブンで焼き色がつくまで焼いた一品。卵と黒大豆枝豆の相性もピッタリ!
黒大豆枝豆入り真薯(しんじょ)の椀物
魚のすり身に卵白、長芋などを加え、フードプロセッサーなどで混ぜ、そこに茹でた黒大豆枝豆を入れて作った真薯も黒大豆枝豆の存在感を存分に感じられるものになりました。
丹波篠山黒大豆枝豆を存分に楽しませて頂きました。丹波篠山黒大豆枝豆は10月5日の解禁日から10月下旬のわずかな期間しか味わえません。解禁日頃、中旬、下旬とそれぞれの時期の豆の味を楽しむことができます。これからどんどん味に深みが増し、コク甘味最高品質の丹波黒大豆枝豆を堪能できます。ぜひ、貴重な黒大豆枝豆を味わってみてください。
今回訪問させていただきました「あかね農園」の細川泰貴さんは、丹波篠山の四季の特産物を存分に味わえるイタリアンレストランも経営されています。すぐ近くにはパンやケーキ、自社果樹園でとれたブラックベリーのジャムなども販売されている工房も併設。これから秋の深まる丹波篠山を訪れる際、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか
「イタリアンダイニング 茜」
兵庫県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエの河内郁子でした。