陽だまりの街で生まれた大粒で良質なクルミ
長野県の東部に位置する東御市は、北は浅間連峰、南には八ヶ岳、西には中央・北アルプスを望む自然豊かな場所。市の中央を千曲川と鹿曲川が流れ、清らかな水にも恵まれています。湯ノ丸山麓の南向き斜面に広がる東御市は、日照時間が長くて温暖な「陽だまりの街」。昼夜の寒暖差があるので、良質な野菜と果物が生産されていて、特にクルミの生産量が多く、加工品も豊富に作られています。
さて、明治時代に伝来したペルシャクルミ(セイヨウクルミ)と在来のカシグルミを交配して生まれた「シナノグルミ」といえば、今や国産品種の代表格ですが、その名の通り、信州発祥の品種。東御市の和地区(旧和村)では、大正時代に天皇の即位を記念して、全戸にクルミの苗木が配布されたことで産地としての歩みが始まりました。現在もクルミの栽培に力を入れていて、今では日本で生産されている品種のほとんどが東御市で生まれたものとか。まさに日本のクルミ栽培を支えてきた中心地。「クルミの里」と呼ばれる所以がここにあります。
(浅間サンライン沿いに建つ大きな道の駅)
(敷地内にはこんな自動販売機も!)
こちらは江戸時代に活躍した地元出身の名力士「雷電」と特産のクルミに特化した道の駅。クルミも詳しく紹介されています。
(クルミの標本の展示)
乾燥させた後、11月下旬から販売が始まります。東御市で生産されるクルミは大粒で風味が良く、香ばしさと甘みが際立っていると評判で販売開始と同時に全国から注文が殺到するそう。
(オニグルミやヒメクルミもありました)
くるみ味噌をはじめ、ドレッシング、バター、そばつゆ、ふりかけなど、加工品のバリエーションも豊富。クルミ菓子もたくさん並んでいます。どんな加工品にもピッタリのクルミは万能アイテムかもしれません。
東御市の人々にとって、クルミはとても身近な食材。こうして様々な形で市民の生活に根づいています。
良質のタンパク質や脂肪を含むクルミはビタミンやカルシウムなどのミネラルも豊富。必須脂肪酸も含み、抗酸化作用があるため、その栄養成分はアンチエイジング効果が期待できます。また、使い方も簡単。そのまま食べるのはもちろん、細かく砕いたり、すり鉢で擦って、お料理やスイーツにトッピングをすれば、独特の風味と食感が加わります。
それでは、東御市では実際にどのようにクルミが食べられているのでしょうか…?続きは後編へ…!