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埼玉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの藤田光樹です。
2018年2月25日「まつのベジフルサポーター研修会 全国の集い」にて、元株式会社三徳 代表取締役社長 齊藤陽三様によるご講演を拝聴しました。
株式会社三徳は1949年設立のスーパーマーケットチェーンであり、松野貞文社長が大学卒業後に3年間修業した会社。
まつのの理念の一つ「この力 正しきゆえに 人の世の光とならん」は、三徳の社歌の一文からいただいた言葉です。
ご講演に先立ち松野社長より「かつての上司である齊藤陽三さんから薫陶を受け、今のまつのがあります」と当時を振り返る言葉が。
「生鮮3品に強い三徳」といわれた中でも最大規模の「志村店」。新卒入社の松野社長が青果売り場の担当者として配属された店の当時の店長が齊藤様でした。
そして、松野社長は大卒2年目の12月30日に1日の野菜販売額の「300万円」の記録を達成。その記録は今も破られていないといいます。そんな伝説の師弟のご縁から、この度のご講演の運びとなりました。
ご講演を通じて語られたのは商売のあり方、そしてその根底に流れる人としてのあり方。
すべてが、まつのが今あることの礎になっていることを実感する、教えに満ちたお話しでした。
1963年に大手スーパーが三徳志村店の近隣に出店し、安売りなどの攻勢をかけてくるなか、地域から「三徳さん」と愛され「三徳詣で」といわれるほど来店客が絶えなかった同店。
その強さを支えていたのは、経営思想の根幹に流れる「お客様の『買い物の代理人になる』」という思いだったと言います。
まつのが掲げるのも同じ使命「お客様の買い物代理人になること」。
お客様の買い物代理人として良い商品を目利きし、欲しい時に、欲しいだけ、欲しい場所へお届けする。三徳は小売業、弊社は飲食店様向けの業務用青果・食材の納めと事業は違えど、松野社長が若かりし頃に三徳で学んだ使命を継承し、「買い物代理人」であることを。
そして、三徳の強さのもう1つの秘けつが「異体同心(いたいどうしん)」の思想。「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事かなうことなし」という日蓮大聖人の教えがもとになっている言葉です。
「三徳創業者の堀内貞良初代社長は宗教心の厚い方であり、仏教精神が三徳の基本。創業以来、全社員が「異体同心」を推進し、全社員が「異体同心」に基づく和合の心で一致団結しお客様に奉仕を重ねてきたことで、お客様の支持を得て地域密着型の店として発展した」と齊藤様は話されます。
まつのが大切にするのも、まさにこの「異体同心」「一致団結」です。
組織とは異なる個性を持った個人の集まりですが、ひとたび何かがあれば即座に一致団結し全員で事にあたる。この強さを発揮して、まつのは何度も有事を乗り越えてきました。組織内に浸透した、企業体質ともいえる強さのルーツも、三徳での教えにあります。
ご講演では、三徳が中心になって立ち上げた共同仕入れ機構「シジシージャパン(CGC)」ついても伺いました。「異体同心」を、自社内を超えて企業同士の連合体として結実させたお取り組み。きっかけは昭和30年代に遡ります。
かつて、大手スーパーの圧力で各メーカーが三徳への商品の供給を止めるという窮地に陥った際に、「中小が大手に対抗するには、まとまって一致団結する以外にないと考え」、三徳が中心となって各地の中小スーパーに呼びかけて実現したのが「CGC」。現在では全国200社超、約4000店舗が加盟し、総年商は4兆円を超える規模にまで成長されています。
異体同心。一人ひとりの力は小さくても、皆が同じ気持ちで事にあたれば、大きな力を発揮できる。
弊社に置き換えた場合に、食の業界においてまつのが果たす役割は何か。改めて深く考えるきっかけを頂きました。
最後に、「今日一番言いたいこと」と伝えてくださったのは「出会いとご縁に感謝」ということ。
人間として生まれたことに感謝。
日本に生まれたことに感謝。
そして今の恵まれた環境に感謝。
さまざまなことに感謝し、出会ったご縁を大切につないでいく、というお話は心に沁みました。
「生涯勉強ですよ」と教えてくださったことのひとつ「5年日記」。あとで見返した時に大変役に立つそうで、何と23年間続けていらっしゃるとのこと。
「大学ノートなどで、まずは始めてみて」とのことで、さっそく用意しました。
ほかには「本や新聞を読むこと」「メモを取り、まとめて自分のものにすること」を挙げており、すぐに全部は無理でも、どれかひとつだったら実践できそうなことばかり!
生涯勉強、とても大切なことですね。みなさんも、どれかひとつでも始めてみてはいかがでしょうか?
埼玉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの藤田光樹でした。
参考
◇株式会社三徳
◇株式会社シジシージャパン