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2012年 11月 29日 (木)

〜 Buon giorno! Italia 〜【チナーゼ農協の採種工場】

by トマトラヴ

Cooperativa Agricola Cesenate
チナーゼ農業協同組合(通称CAC

ここは種の分野のイタリアでのリーダー的存在。

トキタ種苗さんをはじめとする日本の種苗メーカーも
こちらの農協を利用しております。

イタリアは現在野菜の生産が落ち込んできており、
それとは反対に伸びてきているのがこの採種事業です。

イタリアの各地の気候風土、広大な耕作地で北ヨーロッパから、
東南アジア、北アメリカなど様々な国と地域に種を提供しています。

こちらの農協では、世界中の種苗会社から依頼された種を元にして種を取り、製品化して種苗会社に引き渡すという仕事をしています。

まず、収穫された種は含水量を計測し、サンプルを採取

ここで雑草の種の割合なども確認します。

含水量が多いものは、大型の乾燥機で乾燥させます。


次に種の選別。

なお、種の大きさや種類ごとに使用する機械が異なります。

こちらではフィノッキオ(フェンネル)の種の選別中。

砂のように見えますが全部種です。
傾斜をつけた台に種を乗せ、振動させることにより、
重いもの、軽いもの、真ん中の物が振り分けられる仕組みになっています。
台は種を傷つけないように、木製でできています。


傾斜の高い方から落ちてくる軽いもの
中身が入っていないものや種のカスなど
低い方から落ちてくる重いものは小石などの不純物
真ん中2か所からとれるものがになります。

次にこの種を大きさ別に仕分けます。

穴の開いたローラーにくぐらせることにより大きさが選別されます。


このローラーの穴も種ごとに大きさを変えていきます。


選別が終わった種。種の大きさがそろっています。


↓こちらはアブラナ科の植物の種

向かって左がだめな種、右が選別終わった種。

色や粒の違い、分かるでしょうか....

フィノッキオと同じように
(1)ふるいにかけ、重さで選別
(2)ローラーで大きさ分けをして
(3)色彩選別機で色での選別


これらの経緯を経て、つぶれたものや、小さいもの、
色が悪いものなどは取り除かれています。

また、コーティングが必要な種は更に別の処理を行います。


コーティング剤は水分を含むため、処理の後、
乾燥機で種を乾かし製品に仕上げます。

含水量は品種によって異なってきます。
アブラナ科の種は含水量7~8%がよいのだそうです。

細かい種のほか、大豆などの大きい種も取り扱います。
大きいものは作業工程も機械も異なります。

また、最近はオーガニックの基準が「種から有機栽培されたもの」
という枠組みになってきている国もあるため、採種の工程でも
オーガニックと慣行品はラインを分けて作業を行っています。


オーガニックの種を処理する場合、緑の札を立て、
他の種と混ざらないように厳重に注意して作業を行っています。

このような処理を経て、種が出来上がります。

この小さな小さな種がなければ、野菜はできません


この小さな一粒にこれだけたくさんの手間暇がかかっていること
改めて驚きました。

普段、農家の方のところからの苦労や手間暇を見てきましたが

それ以前の「種」にもこのような様々な工程、人の手が加わっていること。
1つの野菜が育つまでには本当に多くの手がかかっていることを改めて実感し、 大事に扱い、様々ところで加わっている人たちに感謝して食べなければ。
という思いも湧いてきました。


ここで作られた各国の種苗メーカーさんのオリジナル商品は、メーカーさんを通じて世界中の農家さんの手元に届きます。



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