<< 前のページへ   次のページへ >>
2012年 12月 11日 (火)

いちご王国栃木の「いちご研究所」

by トマトラヴ

関東で、いちごの産地といったら真っ先に名前が挙がる栃木県
そして、栃木のいちごといったら「とちおとめ
栃木県内ではほぼ100%。
いちごを作っている全国の主産県の約3割というトップシェアの品種です。
東日本だけを見てもそのシェア50%という、知る人ぞ知る品種。
そんなとちおとめが生まれたのが、いちご研究所です。


こちらでは、いちごの品種改良、技術開発、
経営の調査などが行われています。

メインの品種、とちおとめに加え、夏のいちごなつおとめ
イチゴ狩りに用に適した品種、とちひめ
そして昨年からお目見えした新しい品種スカイベリー
など、さまざまな品種が研究されています。

■□新品種のスカイベリー
<><>

スカイベリーはとちおとめに続く品種として栃木県が力を入れている 新しい品種
昨年は5名の生産者しか作っていませんでしたが、今年は58人まで増えました。
このいちごも、ここ、いちご研究所から生まれた品種です。
大玉で、果形がよいことが特徴的ないちごです。 すっと面長な顔立ちと、
オレンジがかった赤い艶やかな色合い
上品な甘さと香りがあります。
適度な酸味もあり、
ボリューム感と味のバランスが取れたとても美味しいいちごです

さらに、食べた後に残る独特の香りと甘さの余韻はほかにはないいちごです。


今年は12月6日に初出荷を終えたばかり。
これから出荷が増えてきます。
大粒で、キラキラと高級感にあふれる果実は、
西のあまおうに並ぶ品種として、これからの時期、
贈答用としての需要を期待しているとのことでした。

■□新しい品種が生まれるまで


いちごは新しい品種が生まれるまで、10〜15年の歳月を要します。
試験場でまず、50〜70ほどの組み合わせで交配された苗を約1万株植えます。

翌年、1年目で有望だったものを選抜して栽培

その後は選抜や交配を繰り返し、親の血の割合などのバランスを調整しながら、
品種の特長をしっかり持った有望な種を探していきます。

ちなみに新品種、スカイベリー誕生するまでにも約15年の年月がかかっており、
なんと10万株もの組み合わせの中から生まれたものなのだそうです。

このように年月がかかるため、研究員の方も、研究所に勤務している間に
新しい品種の開発から世に出るまでを見届けられる方は数すくないのだそうです。

いちごは、種をまいて育てるのではなく、はなく、ランナーという、
子苗から株を増やして育てます。いわゆるクローンで増殖させるわけです。


栃木県は、品種の安定性を守るために大元の苗を研究所で作っており、研究所で作られた、病気のないオリジナル苗を140本、まず拠点となる場所で80倍に増殖させます。

その後、各地域にある農協の育苗拠点でさらに50〜100倍に増殖させ、各農家に配布。
農家ではこれをさらに増殖させて定植し育てていきます。
このため最初はたった140本だった苗がなんと最後には3700万本にまで増殖され
各農家で栽培されるのだそうです。

こうやって、クローン苗を使うことにより、県内全域で
いちごの品質の安定化を図っているのだそうです。

ここまで徹底してオリジナルの品種を守り品質の安定化を図っているところは
他にはありません。


日本一のいちご。といわれる理由のひとつは、この徹底した管理に
よるものなのかもしれません。
そんな栃木のいちごの安定的な供給を支えているのがこの、いちご研究所です。


毎年安心して美味しいいちごを食べることができるのは、
研究所の皆さんのおかげなのですね。

これからもがんばってください!



<< 前のページへ 次のページへ >>









RSS